コラム

新しいCO₂施用システムで燃料費が半分に!人気の大粒イチゴが「収量約2割アップした秘密」

公開日:2021.07.29

山梨県にある石和温泉は新日本観光地100選の全国3位に入る人気の観光地。この地で観光農園『石和いちご館青柳』を営む青柳さんは、20年以上大粒のイチゴ作りに取り組んでおり「大きなイチゴがあると、イチゴ狩りに来てくれたお客さんがワー!と喜んでくれる」と笑顔で語る。もともとシャインマスカットを栽培していたのだが、奥さんの退職を機に一緒に出来るイチゴ栽培を始めた。
新しいことに挑戦することが好きだという青柳さんは、昨年秋に栃木県にある誠和の灯油式低温CO₂局所施用システム『真呼吸』を導入し、収量が2割近く上がり、燃料費も大幅に削減できたという。

今回は、リピーターが8割を超える観光農園『石和いちご館青柳』の大粒イチゴが途切れない独自の栽培方法と、新しく導入したCO₂施用システムの効果について取材しました。

1.大粒のイチゴを提供し続ける3段階の定植

どのようなお客さんがいらっしゃいますか?

うちのイチゴを買ってくださるお客さんの約80%は観光農園へイチゴ狩りをしに来られる方です。直売が15%、あとはホームページやインターネットからご依頼いただくこともあります。イチゴ狩りに来てくださるお客さんは有難くも8割の方がリピーターで、1シーズンに6回も来てくださる方もいます。今は密集しないよう1グループ1レーン貸し切りで食べ放題にしています。

何種類のイチゴを栽培されていますか?

今は18種類のイチゴを栽培しています。うちは2つのイチゴ狩りコースがあり、章姫が食べ放題の通常コースと、10種類以上のイチゴを食べ比べできる「スペシャルコース」。スペシャルコースは1日5組限定ですが、好評ですぐに枠が埋まってしまいます。 イチゴ狩りの他にも年末のお歳暮が人気で、毎年多くの注文をいただいています。うちでは大粒でおいしいイチゴをお届けすることにこだわっており、栽培方法を工夫して、常に大粒のイチゴを提供できるようにしています。

-どんな栽培方法ですか?

年末からお正月にかけてイチゴの収穫が最盛期になるように、3回に分けて定植します。育苗用ハウスで育てた親株となる苗を観光農園用の大きなハウスに植えて、さらにそこから子株を取って、また別のレーンに植える。これを1ヶ月以上ずらしながら3段階で定植するのです。1ヶ月以上ずらして定植しても、収穫時にはその差が縮まり、1週間ほどになります。これによって、大粒のイチゴが常に収穫できる状態になり、お客さんに提供し続けることができます。この辺ではうちくらいかな。珍しい栽培方法だと思います。

2.「石和いちご館青柳」のいい苗・おいしいイチゴを作るコツ

いい苗を育てるために何に気を付けていますか?

土壌の消毒、病害虫の防除を徹底することです。これを怠ってしまうと、害虫や病気によっては一気に広がってしまい、取り返しのつかないことになってしまうこともあります。とくに、増えると厄介なダニの対策には展着剤を使用し、防除を徹底しています。

おいしいイチゴを作るコツはなんですか?

肥料濃度に気を付けています。多すぎると苦味が出てしまうし、少ないと糖度が下がります。時期よって異なりますが、うちでは15~16度の糖度があります。おいしいかどうかはお客さんが決めることですが、イチゴ狩りが終わったお客さんが「おいしかった!」「また来ます!」と笑顔で帰っていってくれると嬉しいですね。また、より多くのお客さんにうちのイチゴを食べてもらいたくて、収量・品質向上のために誠和の新しいCO₂施用システム「真呼吸」を導入し、CO₂の施用方法を変えました。

なぜ「真呼吸」を導入したのですか?

カーテンや天窓の開閉装置などの機器でお世話になっていた誠和の営業担当者から「真呼吸を導入したら収量が2割増えるよ!」と言われ、最初は「そんなことあるもんか!」と信じられませんでしたが、「1割でも増えたらいいかな」と思い、昨年の秋頃に導入してみました。補助金も利用することができ、タイミングも良かったです。

3.CO₂施用機で激変!収量約2割アップ&燃料費は半分に

今までもCO₂を施用していたのですか?

イチゴの栽培を始めたばかりの頃に「明け方にCO₂を与えるといい」と聞いたので、毎日明け方の3時間くらいCO₂濃度が1000ppmになるように生ガスを施用していました。しかし、環境データを測定してみたところ、明け方のハウス内は700 ppm以上あり、施用しても意味がなかったことがわかりました。真呼吸を導入してからは日中450 ppmになるように施用すると、今まで普通だと思っていた生育が変わってきました。

どのように生育が変わりましたか?

樹勢が落ちなくなりました。イチゴは1つの房にいくつもの花がつき、そこから最大20果まで着果しますが(※品種によって異なります)、うちは7果だけ残し大きなイチゴが育つようにしています。 最初の果房が終わると、少しお休みさせて元気になるのを待つのですが、そのお休み期間が短くなりました。おかげで普段は1作に4回取れるところが5回取れるようになり、収量が2割近く増えました。 また、樹の生育がよいと糖度も上がるので、味もよくなったと思います。

生ガス施用と比べて違いはありますか?

ランニングコストが下がりました。生ガスを使っていた頃は月4万円ほどかかっていましたが、灯油式の真呼吸は月2万円ほどですので、生ガスの半分のコストになりました。 また、生ガスの時は1日約3時間施用していましたが、真呼吸は1日約8時間施用しています。冬は朝9時~15時頃まで。日が延びてくると8時~17時頃まで施用しています。真呼吸を導入してからは、長く施用できる上にコストも下がりました

たとえば、売上が1千万で収量が2割増えると200万の増収。燃料費も年間10万変わってくるし、上手くいけば1年くらいで導入コストを回収できます。2~3年で導入コストが回収できて、目に見える効果(収量が増える、作業が楽になる)があれば導入するメリットはあると思います。これからも、補助金などを上手く利用しながら、設備投資は続けて行きたいと思っています。

私の場合は収量が2割近く増えたし、導入して本当によかったです。イチゴ農家をやっている息子が、新しく建てているハウスや、来年独立する研修生のハウスにも真呼吸を導入する予定です。みんな効果を実感しています。

息子が近所でイチゴと桃とブドウを栽培しているのですが、私たちがやってきた農業と息子のような若い人の考え方は違います。アドバイスも全然聞かない(笑)息子はパソコン使ってデータを出したり、ネット販売をしたり上手に商売しています。息子のやり方に対してとくに反対もしないし、口も出さないようにしています。

いつまで元気にイチゴ栽培を続けられるか分からないけど、息子に譲渡する準備を進めつつ、毎年来てくれるお客さんたちに喜んでもらえるおいしいイチゴを作り続けたいと思っています。

記事内でおすすめされている資材

(株)誠和。
灯油式低温CO₂局所施用システム「真呼吸」



商品詳細はこちら

今回取材させていただいたのは…

石和いちご館青柳 青柳さん
御年72歳で現役農家の青柳さんは、休む間もなくイチゴとシャインマスカットの栽培を続けてきた。人前に出るのが苦手な青柳さんは、イチゴ狩りに来た方の接客を全て奥様に任せているのだが、陰ながらお客さんの笑顔やよろこびの声を聞き、イチゴ作りの活力にしている。「愛情込めて作ったイチゴを、みなさんがおいしい!って喜んで食べてくれることがうれしい」と語る。
提携しているホテルでは、のんびり温泉に浸り、石和いちご館青柳イチゴ狩りを楽しむことができる。石和温泉に行く際にはぜひ立ち寄りたいスポットだ。

ライタープロフィール

【施設園芸.com 編集部】
農家さんへのお役立ち情報を日々配信しています!
女性編集部が多く在籍し、新しいイベントの企画やコラム記事の執筆、農家さんや企業様の取材を行っています。みなさんに喜んでいただけるような企画を日々考案しています♪







    
    


Facebook




Twitter