公開日:2023.03.24
セミナーでご紹介できなかった事質疑応答内容をご紹介します。
うどんこ病対策でUVBライトを一昨年から使い始め、散布回数が減りました。散布回数を減らすために、他にも何かありましたら、是非お聞きしたいです。
病害を減らす方法としては、定植前の苗栽培時より紫外線照射する事で、免疫性の高い苗となり、圃場への病害持ち込み削減・定植後の病気発症の抑制が可能となります。ハダニに対しては、天敵を併用する事で更に防除効果が高まります。天敵は、ハダニに比べて紫外線を忌避する能力が高く、繁殖にも影響が少ない事が確認されております。
【回答:鋼鈑商事様】
今後は葡萄以外の作物も育てていこうと考えております。作物の生育段階において、最も光を必要とする時期がありますでしょうか?作物ごとに異なりますか?
それぞれの作物の成長過程による光の必要性は多くの生産者様に認知されてきていますが、作物によって最も必要とする時期は、品種や生育環境により様々だと言えます。
生育には光以外に影響する地温や炭酸ガス濃度なども同時に考慮しないといけない課題ですが、作物の生育過程上で起こった問題に対して、何が原因なのかを精査しなくてはなりません。
その問題が光であれば、大きく言えば二種類あり「光量不足の問題なのか?」「波長不足の問題なのか?」になります。またその問題は育苗時から必要なのか?定植後から必要なのか?など、様々な条件がありますので、作物によっても、現場の考えによっても個体差があると実感しています。
弊社としては作物の成長過程によって必要とする光の特徴の違いはありますが、育苗時(追求するなら育種時)からどの時期にも適正な光が必要だと認識しております。
【回答:ハナオカ様】
防蛾灯(緑や黄色)がキク類(特に秋ギクタイプ)の開花に与える影響について教えてください。
弊社夜蛾対策、菊向けの製品 モスバリアForフラワーシリーズがあります。
こちらは、防蛾灯の光が作物に当たりにくくした製品です。
しかし、キク類と一言で言っても、光に敏感な種類、鈍感な種類があります。
敏感な種類の菊の場合は、フラワーシリーズでも開花調整が狂う可能性があります。
実際に使用されている農家様の中には、光に鈍感な品種を防蛾灯近くに植え、敏感な品種を防蛾灯から離して栽培されるなどの工夫をされている方もいらっしゃいます。光に対する感度を対する感度を調べていただき、露地・ハウスによっても影響がことなりますのでご利用前にお問い合わせいただけると幸いです。
【回答:ユニコ様】
UV-Bは照射時間や照射強度によって花や葉に障害が出るので、上手な使い方を教えて欲しいです。またハダニ防除のための効果的な使い方も教えてください。
植物の品目・品種によって紫外線への耐性が異なりますので、対象植物の紫外線耐性を確認の上、使用いただいた方が宜しいかと思います。新規品目での使用の場合、照射時間を短めに設定し、障害発生有無を確認しながら、段階的に時間を長くする等により、調整いただければと思います。また、ハダニに対しては葉裏に生息していることが多くみられますので、紫外線反射シートを活用し、葉の裏面・群落内へ紫外線が届くように誘導頂くことが有効です。
糸状菌の抑制にも効果があります。但し、葉の展開が大きく、紫外線反射が見込めない場合は、難しいと思われます。
【回答:鋼鈑商事様】
光合成の促進及び曇天時の補光に使った場合の電気代はどの程度になるのでしょうか?また、工事費などはどの程度でしょうか?
弊社のグロースライトDタイプを基準に考えますと1球=10Wになります。こちらは白熱電球60W相当になります。
現場で使用される電球数 x 10Wの計算でグロースライトの使用電力は算出して頂けます。
そこに生産者様が契約されている電力会社の1kWhの単価(平均は27円税込)と、1日にLEDを照射される時間が分かれば費用の算出が可能です。
こちらが電力量の算出の計算方法になります。
kW(電力) x 時間(使用した時間)=kWh(電力量) ※1kW=1000W
下記に例として、ハウス1棟にグロースライトDタイプを30球使用して1日8時間照射した場合の1日単位と30日単位のコストを算出致します。
例 10W x 30球=300W(0.3kW)
0.3kW x 8時間=2.4kWh(電力量)
2.4kWh x 27円=64.8円(1日電気料)
64.8円 x 30日=1,944円(30日電気料)
以上が例になります。
同じ条件で、60Wの白熱電球を使用した場合は1日388.8円、30日11,664円になります。
LED電球のランニングコストは白熱電球の1/6になります。
工事費は電球数、必要メーター数のケーブル本数、ケーブル固定資材(結束バンド等)、場合によってはケーブルを固定するワイヤーなどが必要です。
この辺りは施工業者様の価格(施工費含め)にもよりますので、ここでは価格は差し控えますが、必要な部材は以上になります。ご参考頂ければ幸いです。
【回答:ハナオカ様】
イニシャルコスト、ランニングコスト、及びトマトではどの程度の収量増加・糖度増加が見込めるかが知りたいです。(10a当たり)
ランニングコストでは上記に述べた通りになります。ご参考下さい。
弊社の取扱LED電球で、まだトマトの事例で成功した例がございません。10W・18WのLEDを試験しましたが、効果を感じるまでに至って無いのが現状です。原因としては光量(lux)が圧倒的に足りないのと、光合成光量値束密度(PPFD/μmol)の値が既存のLEDの出力では全く足りていない為です。雲などにより阻害していない真夏の日照条件をどう演出させるかが今後の課題となっております。現在、トマトに適正な光量と光合成光量値束密度の検証をして、実用出来るLEDを開発中です。
【回答:ハナオカ様】
ウイルス性の病気が広がるリスクや農薬散布時の防水性、制御機器との連動が可能か?
紫外線照射の要因によりウイルスが媒介され拡がるリスクはございません。機器は防水性ではありませんので、農薬散布後は乾いてから電源が入るようにご注意ください。制御盤との連携は、センサー等の開発が必要となりますので、現在は個別タイマー制御での運用となります。
【回答:鋼鈑商事様】
弊社防虫灯でのLEDの影響でウイルス性の病気が広がるリスクはありません。しかし、アザミウマが媒介するウイルスは、アザミウマの数を抑えても広がる可能性がありますので赤色LEDでウイルスが抑えられるとは言い切れないと考えております。
弊社製品は全て防水となっております。
制御機器との連動はできません。個別でタイマー管理をお願いしております。
【回答:ユニコ様】
赤90%、青5%、緑5%ほどの割合の商品はあるか。日射量に応じた調光や、外気に基づく色の調整は可能か?
弊社のLED電球では、ご質問頂いたLEDの規格は現在ございません。日射量や時間帯に応じた調光システムは現在開発中であります。技術的な事に関しては、特許等の問題などがありますので、ここでは記述を差し控えさせて頂きます。誠に申し訳ございません。ご了承下さいませ。
【回答:ハナオカ様】
住宅街におけるLED導入によるクレームのリスクなどについて知りたい。
導入事例の中で生産者様にお聞きしたのは、車道に面しているハウスで使用しているLEDの光が眩しく、交通事故に繋がる恐れがあったので、ハウスの内側側面に不織布を付けた事例がございます。設置場所によりますが夜間照射により、近隣にお住まいの住民の方が、生活に支障が出る場所に光源があるなら事前に報告して、照射時間と使用目的や注意点などを伝えておくべきだと思います。
【回答:ハナオカ様】
防蛾灯設置に際しては、直接クレームがあったとの連絡は入っておりませんが、弊社からは設置に際し、周辺の環境を伺い、民家がある場合は夜間明るくなるため、ご近所の方に説明をお薦めすることがあります。その一方で、赤色LEDは日中照射するため影響がないように思われますが、朝晩の薄暗い時間帯ではハウス内が真っ赤になる為か、ご近所の方から点けて欲しくないと言われた例があります。その一方で、防犯に良いと言われたという話も聞きます。
【回答:ユニコ様】
ご紹介いただく資材について費用対効果を知りたいです。また、物価高騰対策について。農薬、肥料、資材、設備など節約術、工夫していることなど具体的事例紹介いただけると助かります。
詳しくは、農研機構『紫外線照射を基幹としたイチゴの病害虫防除マニュアル』の御確認をお願い致します。試験実証7地域のほとんどのエリアにて、導入後は増収効果となっております。また、近隣であれば、四国地域事例(香川県)をご確認ください。四国地域事例では赤字改善が出来ております。
【回答:鋼鈑商事様】
弊社グロースライトはイチゴ現場での導入事例が様々ございます。
その中で一番効果を得られたと感じたのは、加温機・炭酸ガス供給機を設置されている現場です。
恋みのりという品種で11月中旬から電照していますが、結果としては翌年1月末の時点で4番果の花が出ており(無電照なら3番果の収穫前)、費用対効果なども踏まえた上で大変満足されていました。
グロースライトを導入した事による効果は以下の通りです。
・単価の高い時に数多く収穫出来る事により、例年より収益が増加
・無電照だとガク枯れが起きやすい品種だが、グロースライトを使用したらそれが無く、生理障害にも強くなったので、イチゴの品質の向上にも繋がった
・導入から2年で総費用をカバー出来る
【回答:ハナオカ様】
※ユニコ様は講演内で回答あり
相乗効果を期待できるような資材の使い方と、今後発展する可能性がある省力化を図れる光資材についてご紹介をお願い致します。
相乗効果が期待できる新商品として、『ハイブリットUVB-LED』がございます。
この商品は、UVB電球と同様に病害抑制の紫外線(UVB)照射と、成長促進に必要な太陽光に近い補光が同時照射可能な商品になっております。現在は、閉鎖環境の果菜類育苗ステージにて運用し、生理障害となる葉こぶ症(水泡症)抑制・徒長抑制に有効となっております。また、ハウスでの果菜類誘引栽培等でも試験実証中ですが、商品コストが高い為、運用方法を検討中です。
【回答:鋼鈑商事様】
ハウス内を光の照射でご検討されているのであれば、ハウスの底や側面に不織布や反射シートを使用し、光の反射効率を上げると、作物への品質向上や病害対策の相乗効果は上がると思われます。
今後発展する可能性がある省力化を図れる光資材ですが、現段階ではまだ殆どの作物が研究途上にあると思います。まず作物と光についての研究が進み、LEDの特性を活かした上で減農薬対策などが進んでいく事がこれからもっと注視していく魅力的な面だと感じております。
【回答:ハナオカ様】
ハウス内で使用の場合は反射シートを利用していただくことで、光の反射効率が上がりますのでお勧めしております。すみませんが、今後発展する可能性がある省力化を計れる光資材については具体的にご紹介できる資材はございませんが、弊社としてましては、より使いやすく、効果が実感できる製品開発に取り組む考えです。
【回答:ユニコ様】
弊社製品を効果的に使って頂くために、お客様の作物や圃場(ハウス・露地)に合わせた製品のご提案をいたします。お気軽に問合せ下さい!(担当者:李)
現在LED電球の導入をご検討されている方・使用したいが、どういったLEDを使っていいのかわからない ・品種に合うLEDはどういったのが良いのか?etc…様々なご不明な点があると思いますが、どんな些細な事でも弊社にお尋ね下さい。(担当者:花岡)
UV-B照射により、病害虫発生の抑制が可能となり、農薬削減による省力化・歩留まり安定にも貢献できます。弊社では、イチゴ栽培の他、花き栽培・果菜類苗栽培での病害虫防除実績も多数ございますので、お気軽にお問い合わせください!(担当者:藤田)
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