コラム
公開日:2022.06.08
作物を栽培する上で欠かせないのが、栄養バランスの取れた良質な土壌です。その土壌中のECやph値、養分の過不足を分析することを『土壌診断』と言います。しかし、実施するにも「調査項目が複雑」「手配が大変で面倒」などのイメージを抱えている農家さんも多いのではないでしょうか。 そこで今回は、手軽なのに本格的な土壌診断を行える便利なサービスをご紹介していきます。
渡辺パイプ株式会社では、無料で土壌診断を行っています。システムは簡単で、送られてきた土壌採取袋に農地の土を入れ送り返すだけというもの。土壌中のphやEC、石灰、苦土、加里、りん酸、の6項目の含有量を分析し、診断士から農地に合った合理的な施肥を提案してもらうことができます。診断結果に基づき土壌養分を調整することで、作物にとってベストな土壌を作ることができます。お申し込みは、HPの専用フォームから簡単に行うことができます。
みらい蔵は、農業資材販売や農産物検査、土壌分析などの事業を行っている会社です。特許取得した独自の土壌分析であらゆる視点からの土壌の改善が可能です。みらい蔵の特徴は、土壌の養分だけでなく「根」の生育環境も分析できる点です。化学性の栽培管理にプラスして根の生育環境を改善することにより、相乗効果を得ることができます。他にも、土壌分析・施肥設計システム「ソイルマン」により、Web上で分析結果を図とグラフなどでわかりやすく確認できたり、施肥設計が簡単にできるのも魅力です。
分析を行った方はZoomにて分析結果の見かたや栽培管理のアドバイスを受けることもできます。
※農業日誌アプリアグリノートとも連携しています。
土づくり推進機構が提供する土壌診断キット「つち博士M3」は、専用のスマホアプリを用いて簡単に土壌養分を診断することができるサービスです。送られてきたキットを使って土壌の抽出液を専用の試薬で発色させ、それをスマートフォンの土壌分析アプリで撮影すると、土壌中の養分濃度を測定することができます。簡易型の土壌診断キットですが、土壌の腐食率、養分保持力(CEC)なども測定することができ、本格的な土壌診断を短時間で行える点が特徴です。また、測定結果は付属の施肥管理システムで圃場ごとにわかりやすく管理できます。
高品質で安定した収量を確保するためには、健康な土が欠かせません。土壌診断は栽培を始める前はもちろん、生育ステージごとや季節に応じ、定期的に行うことが大切です。土壌診断には無料でできる手軽なものから、費用をかけて本格的に行えるものまで様々です。この記事を参考に、ご自身に適したサービスを選んでみてください!
▼参考サイト
〇農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/tottori01.html
〇渡辺パイプ
https://www.sedia-green.co.jp/service/soildiag.html
〇みらい蔵
https://mirai-zou.co.jp/
〇土づくり推進機構
http://tuchi.net/
ライタープロフィール
【本澤貴史】
北海道の農業系大学出身のフリーライター。
大学では主に作物栽培を専攻し、広大な土地で露地栽培や施設栽培を学んでいました。
普段は、北海道の地域情報や食にまつわる記事の執筆をしています。
農業をされている方に少しでも興味を持っていただける情報を目指し発信していきます!