コラム

ビニールハウスの保温対策!冬の暖房費を抑えたい農家必見!

公開日:2019.12.23

施設園芸農家にとって冬の暖房代は頭の痛い問題です。ハウス内の温度をしっかりと保ちつつ、少しでも暖房代を下げたい・・・!
そこでこの記事では、暖房代を下げる工夫の1つとして温室の「保温対策」をご紹介します。

1.保温対策で暖房費を下げられるワケ

ビニールハウスの外張り材やガラス材は、人間の住む住宅に使われている断熱材のような「保温性」がないため、ビニールハウス内の温度が高まったとしても、暖かい空気はすぐに外に逃げてしまいます。
このような状況では暖房代はかさむ一方です。ビニールハウス内の暖かい空気が外に逃げないように「保温対策」をしっかり行うことで、暖房効率を高め、光熱費を下げることができます。

2.保温対策の基本「内張り材」

ビニールハウスの保温対策の中で、最も一般的で効果も高いとされているのが「内張り材」という資材を使った方法です。内張りカーテンや保温カーテンとも呼ばれます。
外張り材と同じ様なビニール製の物でも正しい使い方をすれば効果がありますが、空気層を含み素材そのものに断熱効果を持たせた保温材を使うことで、より一層保温効果が高まります。




💡使い方のポイント

1)ビニールハウスの中に張る内張り材(カーテン)は、外張り材と数センチの間を開けて使うようにします。外張り材と内張り材の間に「空気の層」ができることで、断熱効果が発揮されます。
2)ビニールハウスの外に空気が放出しないように、出入り口や穴などに注意し、気密性を確保します。

※日中は高温になりすぎたり、湿度や飽差の管理をしている場合は例外です。


3.保温効果抜群!暖房費を抑えるおすすめの内張り材

空気層を持たない1枚のフィルムでできたものでも、前述のように正しい使い方をすれば十分に効果がありますが、やはり空気層を持った内張り材の方が、保温効果もより高まります。
空気層を持たないフィルムに比べると初期の購入コストは上がりますが、その高い保温効果で燃料費の削減ができます。
空気層をもった内張り材の中から代表的な商品をご紹介します。




◆サニーコートⓇ (宇部エクシモ株式会社)

ハウスの内張りカーテン・サイドに使用できます。中間に空気層を持った「二重構造フィルム」で保温効果が高いのが特長です。光線透過率は80%以上確保しています。その保温効果の高さから、燃油を大幅に削減できます。
サニーコートⓇの約85%の軽さを誇る「サニーコートソフトⓇ」も、その軽さと柔らかさから取扱や施工が簡単で、巻き取り開閉もスムーズなためおすすめです。





◆エコポカプチⓇ(川上産業株式会社)

気泡緩衝材のトップシェアを誇る川上産業が開発した内張り材です。
梱包用資材のいわゆる“ぷちぷち”(プチプチⓇ)を農業用にした商品。空気層を持っているので保温効果が高く、燃料費が削減できます。光の透過率にも優れ、作物に必要な光をよく透します。 耐候剤が入っているため、紫外線に強く、耐久性が高いのもうれしいポイントです。また、様々なサイズに対応できるよう「幅広」のラインナップが揃っています。





今回は「内張り材を使った保温対策」についてご紹介しました。保温効果(性能面)も重要ですが、自分のビニールハウスで張りやすいかどうか等も内張り材を選ぶ上でポイントになります。
先輩農家や資材担当者に相談しながら自分に合った内張り材を選んでみてください。



  • ▼関連記事

ライタープロフィール

【内村耕起】
宮崎県の牛農家生まれ。大学院で植物工場での廃棄物利用に関する研究に従事したのち、全国の農家を訪ね歩いてファームステイ。岩手県の自然栽培農家で2年間の農業研修を経て、現在は宮崎県の山間部の村で自給的農業を営む傍ら、ウェブライターなどもしています。








Facebook