コラム

農薬の影響から身を守る!農薬用マスクの選び方

公開日:2018.03.07

農薬を調合・散布する際には、目に入る、肌に付く、口や鼻からの吸い込む、誤って飲み込むなどして体内に吸収されてしまい、中毒事故を起こす危険が伴います。農薬を安全に使用するためには、農薬用マスク、保護メガネ、保護手袋、保護服など保護具をつけることが大切です。
※農薬のラベルに記載されている「安全使用上の注意事項」をよく読み確認してください。
今回は、「農業用マスク」についてご紹介します。【参照:農薬用保護マスク研究会】

1. 農薬散布時の危険性


近年、農薬散布時の中毒事故は減ってきているものの、事故のほとんどの原因は「マスクやメガネなど保護具が不十分だった」ことなど全体の約73.3%は本人の油断や不注意によるものです。「泥酔等による誤飲誤食」だなんて・・・間違って飲んでしまうこともあるのですね。お酒の力は怖い!日頃の農薬の保管や管理体制なども大事だということがわかります。
また、体調のよい日を選ぶこと、強風のない日を選ぶこと(強風でなくても風向きに注意)、高温の日は避けること等、安全対策をきちんと行う必要があります。
重症にならずとも、気分が悪くなったり食欲がなくなったり体調不良を起こすこともあります。

2. 注意喚起マークについて

農薬用マスクや保護メガネ、保護手袋など保護服の装備不良による事故は毎年起きています。農薬のラベルに行為の強制マークと行為の注意喚起のマークがあります。行為の強制マークは、“必ず装着しなければいけない”という意味のマークです。
農薬を使用する前には必ずラベルと取扱説明書をよく読み、マークにそった保護服を身に着けましょう。※注意事項になにも書かれていない場合でも、農薬に触れることはあまり良い事ではありません。保護具(マスク、メガネ、手袋、保護服)の装着をおすすめします。

行為の強制マーク


他にも注意が必要なマークがあります。とくに施設園芸農家さんにとっては以下の行為禁止マーク(してはいけないこと)に注意が必要です。


行為の禁止マーク

ミツバチに対して影響があります。ミツバチ受粉を行っている場合は注意が必要です。また、周辺で養蜂が行われていないか確認しましょう。
(関係機関への情報提供が必要です)


かぶれやすい人は散布作業をしないようにしましょう。


ハウス内(または霧のこもりやすい場所)では使わないようにしましょう。

3. 農薬用マスクの効果

一般的に農薬は、皮膚から吸収されるよりも口や鼻から吸い込むほうが約30倍も多く体内へ吸収されるとされています。肺に吸収されると直接血液中へ吸収されるので、中毒発症のリスクが高くなります。
農薬散布は重労働なので、散布中に呼吸数が上がりさらに吸い込みやすくなる危険があります。
そこで1番吸収率の高い口や鼻からの吸収を防ぐために保護マスクが必要なのです。
農薬に対する防護効果を試験結果(粉剤の捕集率)では、手ぬぐいやタオルをマスクの代わりにした結果、除去できるのは約50%。約半分は吸い込んでしまうということです。ところが、国家検定合格の農薬用マスクを使用するとほぼ100%農薬を除去することができるのです。性能のよいマスクを正しく着用することが大切です。【参照:農村生活総合研究センター】

4. 農薬用マスクを選ぶ3つのポイント

ポイント1:農薬の成分や形態にあったマスクを選びましょう。


・粉剤、Dl粉剤、微粒剤、粒剤、水和剤、乳剤、液剤、水溶剤、ゾル剤、フロアブル剤の場合には「農薬用マスク」を使用します。
※乳剤を扱う場合には防塵機能がついたもの、粉剤、水和剤を扱う場合にはろ過材(フィルタ)がついたものを推奨するメーカーもあります。
※医薬用外毒物、医薬用外劇物の表示がある場合には「防護マスク」を使用します。
・臭化メチルやクロルピクリン、DDVPなどガス化しやすいものは「防護マスク(防毒マスク)」を使用します。


※防護マスクの場合は薬剤にあった吸収缶があるものを選びます。



ポイント2:国家検定、JIS規格に合格しているものを選ぶようにしましょう。

保護マスクには簡易なものから、JIS(日本工業規格)によって国家認定されたものまで色々な種類があるので、国家検定に合格しているマスクを選びましょう。
国家検定規格として、【DS1】は捕集率80%以上、【DS2】は捕集率95%以上、【DS3】99.9%以上除去することが実証されています。
※上記は使い捨て式の固体粒子用の場合です。液体粒子用の場合はS→Lと記載されています。
※米国規格(労働安全衛生研究所が定めた規格)で【N95】などの記載がある場合があります。
厚生労働省からもインフルエンザや結核菌の対策指定品の一つとされている規格です。
国家検定に合格しているマスクには以下のようなマークがあります。

また、市販のマスクでは「農薬用保護マスク研究会」が作成したマークがついているものを選ぶのがおすすめです。(国家検定に合格しています)

ポイント3:自分の顔に合うものを選びましょう。

同じ種類のマスクでも、S、M、Lといったサイズが分かれているマスクもあります。顔とマスクの間に隙間ができない密着性の高いものを選びます。このとき保護メガネも装着することを想定しましょう。ゴム紐などで固定できるものがよいです。


  • ●お役立ち情報

農薬用保護マスク研究会では「農薬用マスクの検索ソフト」があり、農薬の種類や成分を入力するとおすすめのマスクを教えてくれます。


農薬用マスクを使用していても、農薬散布後には手や顔などを石鹸でよく洗い、うがいも忘れずに行ってくださいね。