コラム
公開日:2020.06.29
みなさん、夏バテはしていませんか?毎年のことと分かっていても、やっぱり辛い夏の暑さ。どうにか元気に乗り越えたいところですね。そんな時におすすめなのが旬の夏野菜です!旬の食材は栄養価が高いことで知られていますが、夏バテにも高い効果を発揮します。
今回はその高い効果と、簡単で美味しいレシピをまとめました。ぜひ参考にしてみてください!
夏バテに効く夏野菜の効能について、3つの理由をご紹介します。
夏野菜は水分が豊富。夏の暑さで失われた水分をしっかり補ってくれます。もちろん水や清涼飲料水でも水分は摂取できますが、夏野菜を食べることで水分を補いつつ、栄養素も摂取でき、さらには胃腸もしっかり動くため食欲減退も防ぎます。
人間の食欲は、目から入る情報にも大きく左右されるって知っていますか?トマト、きゅうり、なすなどの夏野菜はどれも鮮やかな色合いをしており、この「色」がとても重要になります。
夏バテの大きな原因のひとつに「食欲減退による体力の低下」が挙げられます。夏に負けない体づくりに必要不可欠な日々の食事に、彩り豊かな野菜たちが食欲増進の一役を買ってくれるというわけです。
これを言いたくてこの記事を書いたと言っても過言ではありません。夏野菜は名前の通り夏が旬の野菜です。他の季節に収穫するよりも水分が豊富でみずみずしく、最も栄養価が高くなります。
栄養たっぷりの野菜は旨味成分が豊富になり、口の中で旨味成分とみずみずしさが広がります。
こちらでは、夏野菜を使ったおすすめのレシピを2つご紹介します。どちらも夏の暑さを乗り切るのに、とてもおすすめの料理です。同じ夏野菜を使用しているため、2つ同時に作ると一石二鳥です!ぜひ一度お試しください!
まずおすすめしたいのが、スパイスの香りが食欲をそそる夏野菜カレーです。小麦粉を加えないインドカレーの作り方ですので、サラサラとした仕上がりになります!
【材料】
・鶏モモ肉 200g
・玉ねぎ 1/2個
・トマト 1/2個
・生姜 20g
・ニンニク 10g
・ローリエ 1枚
・カレー粉 大さじ2
・サラダ油 大さじ2
・水 200cc
<トッピング用具材>
・なす 1/4本
・ピーマン 1/2個
・しめじ 30g
【作り方】
①すりおろし、またはみじん切りにした生姜とニンニクを油で熱して香りをしっかり引き出します。(弱火~中火)生姜とニンニクから、フツフツと泡が出るくらいがベストです。焦がさないように気を付けましょう。
💡ポイント:生姜は繊維が残りやすいので、すりおろした場合は包丁で叩いてあげると尚良いです。
②ごく薄いスライス、またはみじん切り、すりおろしにした玉ねぎを入れて、キツネ色になるまで炒めます。(中火)
③カレー粉とぶつ切りにしたトマトを加え、玉ねぎとよく馴染ませます。
💡ポイント:トマトの水分を飛ばしておきます。玉ねぎと合わせて持ち上げた時に、ボタッと落ちるくらいが目安です。(炒める際、ヘラなどで潰すようにすると良いですよ)この手順をしっかり行うことで、サラサラとしているけれど、シャバシャバではないちょどいい水分量になります。
④一口大に切った鶏肉を加え更に炒めます。
⑤水とローリエを入れて蓋をしたら15分ほど煮込みます。
⑥カレーを煮込んでいる間に、一口大に切ったピーマン、ナス、しめじを素揚げにします。
⑦器にライスとカレーを盛り付けて、素揚げにしたピーマン、ナス、しめじをトッピングしたら完成です!
◆パウダースパイスを使用
市販のルウには旨味をプラスするため、大量に動物性の油脂が含まれています。そのため、人によっては胸やけや消化不良を起こしやすく、「胃腸を整える」という狙いから外れてしまう可能性があります。
パウダースパイスを使ったカレー作りに挑戦したことがない方は、S&Bの赤缶などスーパーで手軽に購入することができる大手メーカーの商品を選ぶと、作り易いですよ。
また、アジア料理食材やスパイス系が得意なお店で手に入るものは、よりスパイスの香りと刺激が鮮烈な傾向にあるため、カレー好きな方は専門店で入手するのもおすすめです。
◆鶏肉の代わりに豚肉を使う
豚肉に多く含まれるビタミンB群には疲労回復効果が認められています。
◆チリパウダーで辛みをプラス
唐辛子に含まれる辛み成分には発汗作用があります。冷房の効いた屋内にいる時間が多い方は、意外と汗をかいていない事が多いです。普段あまり汗をかいてないと屋外の高温下であってもうまく汗をかけず、体温調節がうまくできません。
これも夏バテの原因のひとつと言われており、発汗作用のある食事はその改善策として大変有効です。
うだるような暑さの日は、冷たい一品が恋しくなりますね。そんな時におすすめなのが、なすやピーマンなどの夏野菜を使った揚げ浸しです。レシピ【1】で紹介したカレーを作りながら、翌日のおかずが一品作れます。おつまみにも最高なので、キンキンに冷えたビールと一緒にどうぞ!
【材料】
・なす 1本
・ピーマン 2個
・小ねぎ 適量
<漬け汁>
・水 100cc
・顆粒だし 小さじ1
・醤油 大さじ2
・生姜 10g
【作り方】
①漬け汁の材料を全てボウルに合わせておく。
②適当な大きさに切ったなすとピーマンを素揚げし、”①”の中に入れる。
💡ポイント:カレーを作る際に使ったトッピング用具材の残りを使用することができます。
③冷蔵庫でしっかり冷やしたら完成です!
◆一晩くらい野菜を漬ける
漬け汁に野菜を一晩漬けることにより、味がしっかり乗って、野菜もキュッと締まって食感が良くなります。
◆常温の漬け汁に揚げたての野菜を入れる
野菜類は温度が50~60℃前後のときに味が最も染みる、という特性があります。常温の漬け汁に高温の食材が入ることで、自然とその温度に近づくので味の乗りが良くなります。
◆味付けにお酢を加える
お酢の疲労回復効果と、さっぱり感で更に良い効果が得られます。砂糖で甘味をプラスしてあげると、味のバランスが良くなります。
◆トマト
トマトには夏バテに効果的な栄養素がたくさん含まれています。ビタミンB1は疲労回復に効果があり、クエン酸に食欲増進、疲労回復に効果があります。
また、リコピンは老化防止の他にシミやシワの原因となるメラニンの発生を抑えるため、紫外線のダメージを受けた肌にも効果的です。
◆ナス
カリウムが豊富に含まれており、体にこもった熱を発散する効果があります。その他、コリンは肝機能を高める効果があり、食欲の低下に効果があります。
◆ピーマン
ビタミンCが豊富で疲労回復に効果があります。
◆スパイス
カレーに使われているスパイス、実は胃腸のはたらきを整える効果があります。例えば、ターメリックは消化促進、肝機能促進。コリアンダーには整腸作用が含まれています。
他にも、シナモンは和名で「桂皮」と呼ばれ、胃薬の主材料として使われています。スパイスの和名を調べてみると、胃薬に含まれる生薬のことだったりするので面白いですよ。
また、スパイスの香りには食欲促進効果もあります。夏バテの大きな原因である「食欲減退による体力の低下」に最適です。しっかり食べて暑さに負けない体力をつけましょう。
今回ご紹介したレシピ以外にも、パスタやスープ、煮浸しなど色々な種類の料理で夏野菜が大活躍します!旬の野菜は味がしっかりしているので、シンプルにサラダにして食べてももちろん最高です。
美味しい食材を使うと、それだけで料理のレベルがグッと上がります。美味しい食事って幸せな気分になりますよね。「病は気から」と言いますが、幸せな気分で毎日を過ごすと疲れにくく、回復も早くなることが科学的にも証明されています。夏野菜の力を借りて、この夏も元気に乗り切りましょう!
ライタープロフィール
【料理アドバイザー(フードライター)大谷】
北海道出身の調理師免許ホルダー。
実家が農家なので、食材を大事に扱うことを信条としている。施設野菜を使った料理のレシピや農家さん向けの「加工品や製品」のレシピも考案。専攻はフレンチやイタリアン。誰でも作れる「簡単な調理方法」やしっかり栄養が摂れる「美味しい料理」の提供を目指しています。
●趣味:料理、テーブルフォトの撮影