コラム

失敗しない!油粕の上手な使い方~初心者によくあるトラブルとその対策~

公開日:2026.02.09

※本記事は2018/8/8に更新した記事をリニューアルした記事です



近年、食べ物を選ぶ際に健康志向を意識する人が増えました。こうした流れは消費者だけではなく、生産者の間でも広がり、有機野菜をはじめとした「オーガニック」への関心が高まっています。
有機栽培を始めるにあたり、最初に試しやすいのが有機肥料です。

この記事では、有機肥料の中でも特に使用されることの多い「油粕(あぶらかす)」について、基本的な特徴から失敗しやすいポイント、正しい使い方までを分かりやすく解説します。

1.油粕ってどんな肥料なの?

・油粕とは?

油粕(あぶらかす)とは、その名の通り油を取った残りの搾りかすです。主にアブラナなどから搾り取られることが多く、日本では昔から肥料として使われています。
ホームセンターや資材店などで手軽に入手できる有機肥料のひとつです。

・油粕の成分

主な成分としては、窒素、リン酸、カリウムが5:2:1の割合で含まれているため、栄養バランスのとれた肥料になります。
この割合からみて分かる通り、窒素が多めになっています。しかし、土中で分解・発酵されてから肥料として作用するため、効果が現れるまでには時間がかかります。

・油粕の特徴

油粕は、土中で発酵することで徐々に肥料成分が効いてくるのが特徴で、一般的な使用用途は元肥です。発酵までに通常3週間程度かかるため、元肥としての使用に適しています。
ぼかし肥料の材料として利用されることもあります。

2.ブルーベリーやスイカの作付けにも油粕がおすすめ

油粕は、ブルーベリーやスイカの作付けにも適した肥料です。
使用する際には、やや酸性に調整してある肥料を選ぶと良いでしょう。また、マグネシウムも配合した油粕を選ぶと、より理想的です。

ブルーベリーやスイカは、肥料の質が果実の品質に直結するため、肥料は慎重に選ばなければなりません。特に窒素過多にならないよう、施肥量やバランスに気をつけましょう。

  • ▼関連記事

3.油粕にまつわるトラブル

油粕にまつわる主なトラブルには、次のようなものがあります。

追肥として使ってしまい、効果が出ない

よく「有機肥料が良い」という話だけを聞いて油粕を試してみようとする人がいますが、化学肥料と同じように使ってしまい失敗したというケースが目立ちます。
例えば、化学肥料は速効性があるものが多いため、有機肥料を使ったことがない人が勘違いして油粕を追肥に使ってしまうことがあります。
しかし、油粕の肥料成分は土中で発酵を伴いながら染み出すため、即効性は期待できません。

発酵による悪臭が発生する、ハエなどの害虫が大量に発生する

油粕をそのまま使うと、生ごみのような悪臭を伴います。さらにそこで大量のハエが発生して思わぬトラブルが起こることがあります。

  • ▼関連記事

4.これで失敗しない!油粕の上手な使い方

油粕は優れた肥料である一方、窒素を多く含んでおり、分解されてから植物に吸収されるまでに時間がかかります。よって、作付けの2~3週間前を目安として、あらかじめ土へ混ぜ込んでおきましょう。

なお、市販の発酵済み油粕を使用すれば、分解の時間を待つ必要がなく、比較的早く効果を得ることができます。

土の中で発酵させる際は、悪臭を伴うため土の表面に撒くのではなく、土に混ぜ込むようにします。
多少臭いがするものの、ハエの大量発生を防ぐことができます。また、臭いがするのを避けたい環境下ではマルチやビニールシートをかぶせて発酵を待ちましょう。

💡ポイント

どうしても油粕を追肥として使用したい場合や早く効果を出したい、発酵させる環境が整えられないという人には、市販の発酵済み油粕がおすすめです。
少し価格が上がりますが、すでに発酵しているため、肥料成分がすぐに水に溶けだし速効性があります。また、悪臭の原因となる発酵が済んでいるため、臭いもほとんど気になりません。





油粕は化学肥料と比べると使うまでに手間がかかってしまいますが、良い土を作るためには是非使いこなしたいものです。はじめての有機肥料はまず少量から試し、土の状態や作物の反応を確認しながら使っていくことが大切です。

特性と使い方をよく確認し、目的に合ったものを選びましょう。

  • ▼関連記事

ライタープロフィール

【Sandersonia(サンダーソニア)】
花とスケートボードを愛するフリーライター。サンダーソニアとは好きな花の名前。
IoT技術による農業生産の革新と農協改革の今後に関心を寄せる。花屋、JA営農指導員を経て独立。生産から流通、花束やフラワーアレンジメントまで花の知識ならお任せを。







Facebook