コラム

作物がよく育つ!土壌改良の方法とおすすめ資材3選

公開日:2018.08.22

土壌改良の方法はいくつかあります。「客土」「天地返し」「深耕」「土壌改良資材の導入」などです。
「客土」とは土壌中に不足している成分を補うこと等を目的とし他所から土を搬入すること。「天地返し」 とは表層土と下層土を反転させること。「深耕」 とは地表から20〜30cm程度まで耕すことです。今回はその中でも土壌改良資材についてご説明します。

1.土壌改良資材とは

土壌改良資材とは土壌の性質を変えるために投入する資材のことを言います。大別すると有機物系資材と無機物系資材の二種類に分けられます。有機物系資材には木炭やバーク堆肥、家畜堆肥、微生物、などがあります。無機物系資材には石炭やバーミキュライト、ゼオライトなどがあります。
※一般的に土壌改良資材と呼ばれるものの中には“肥料取締法”における肥料に該当するものも含まれます。一般的な呼ばれ方に倣い、今回は地力増進法上に定められていないものも土壌改良資材として取り扱っています。


土壌改良資材(複合微生物資材)「カルスNC-R」/リサール酵産(株)

2.目的別 土壌改良資材の効果と特徴

土壌改良資材にはそれぞれ違った効果があります。pHを調整する効果や、保水性・透水性を変える効果などです。その他にも不足する養分を補うためや、連作障害対策のために投入する資材もあります。
大まかなイメージは下記の通りとなります。

●保水性の悪い圃場(粘土質が低い圃場)→有機物・バーミキュライト・ゼオライト・炭、等を投入
●水はけの悪い圃場 (粘土質が高い圃場) →砂を投入
●pH値が低い圃場→石灰を投入
●養分の少ない圃場→堆肥類を投入

3.おすすめの土壌改良資材3選

(1)モミがら

モミがらには植物の成長に必要なケイ素が入っていますが、窒素をはじめとする肥料成分が少ないため、主に土壌の物理生改善のために利用できます。モミがらは砂質の土壌にも粘土質の土壌にも程よい保水性と排水性をもたらすため多くの方におすすめできる土壌改良資材です。
モミがらを堆肥化させた商品もありますが、材料や製造方法等で効果が異なるためよく確認して検討しましょう。





バーク堆肥

バーク堆肥とは樹皮を腐熟したもので、肥料分が少なく、土壌の物理生改善のために利用できます。また、土壌改良効果が長期持続されると言われています。具体的には膨軟化(ぼうなんか)と言って、フワフワとした柔らかい土壌にする効果が期待できます。
市販のバーク堆肥には発酵が未熟なものもありますので、「発酵期間は半年以上あるか」等に注意して購入することをお勧めします。


  • ▼バーク肥料についてさらに詳しくみる





(3)石灰

最後におすすめなのが石灰。ご存知の方も多いかと思われます。
日本は降雨が多い為、圃場を放っておくと、酸性に傾くという特徴があります。そのため、pH調整として石灰がよく利用されます。植物によって最適pHは異なりますが、石灰をベースに調整すると良いでしょう。これまで農家の勘で石灰を投入してきた圃場も多く、そのため石灰過剰により多くの圃場はアルカリ性に傾いてしまっているという説も良く耳にします。是非phを測定した上で投入量を決めるようにしてください。

▲苦土石灰(粒状)




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ライタープロフィール

【uen01】
1反のハウスで夏秋ミニトマトの養液栽培(不織布ポットを利用した少量培地栽培)を行なっています。
元営農指導員のベテラン農家指導のもと、様々な実証実験を行いながら生産しております。元金融マンというバックグラウンドを生かして、数字に基づいた栽培及び経営を行なっています。








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