コラム

土壌改良で保肥力を高めよう!根張りがよくなる方法とは

公開日:2021.04.06

1.土壌改良の目的は根張りにあり!

土壌改良の目的は根張りの良い土壌を作り出すことです。植物は根を介して土壌から養分を吸収していきます。そのため、土壌内に十分な肥料分が保持され、根がスムーズに伸長できる状態を作り出すことが重要となります。保肥力が高い土壌、つまり、肥料もちがいい土壌を作ろうとするのはこのためです。もちろん、植物ごとに生育に適した土壌は異なるため、自圃場の状況や植物に合わせて最適化する必要があります。

そこで今回は、保肥力を高めることで根張りを良くする方法についてわかりやすく説明していきます。

2.保肥力とは?

保肥力を測る数値として、CEC(陽イオン交換容量)というものが使われます。CECとは土壌中のプラスの電気を保持できる力の容量のことです。土壌内に存在する鉱物や腐植と呼ばれるものは、マイナスやプラスの電気を帯びています。一方、マグネシウムやカルシウムなどの肥料成分はプラスの電気を帯びています。そのため、マイナスの土壌がプラスの電気を帯びた肥料成分をくっつけ、雨や潅水などがあっても土壌から肥料成分が流れないように保持します。
CECが大きいほど、プラスの電気を帯び肥料を保持できる”保肥力が高い土壌”であると言うことができます。

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3.保肥力を高めると根張りが良くなる⁉

保肥力を高めることは土壌内に植物体の成長に必要な肥料分が保持されることを意味します。そうすることで必要な養分を必要なときに吸収できる状態が作られ植物体の成長や根張りの良さに繋がります。

保肥力を高めるための土壌改良資材としてピートやバーク堆肥などの有機物や、ゼオライトやバーミキュライトなどの無機物が利用されています。 ピートやバーク堆肥は土壌内で分解が進むにつれてCECが大きくなり保肥力の向上に期待できます。ただし、ピートには土壌を酸性に傾ける性質があるため土壌PHには注意が必要です。

そして、これらの土壌改良資材は保肥力を向上させるだけでなく、土壌内を根がスムーズに伸長できる状態を作る効果も併せ持ちます。ピートやバーク堆肥は土壌の団粒化を促進し、バーミキュライトやゼオライトは多孔質であるため通気性や保水性を向上させます。

多孔質(たこうしつ)とは?

多くの小さな穴(細孔)が空いた状態

このように保肥力を向上させる土壌改良資材は、根張りの良さに繋がる副次的な効果ももたらします。根張りの悪さにお困りの方は、保肥力に着目してみるといいかもしれません。
実際の使用にあたってはそれぞれの特徴を理解し、自圃場の環境や予算に合った価格のものを利用しましょう。

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▼参考文献

○土づくり・施肥を始める前に知っておきたい 土壌肥料の基礎知識,セントラル化成株式会社
https://central-chemical.co.jp/PDF/gizyutsu/soil1.pdf

▼参考サイト

〇保肥力と有機物, お役立ち農業辞書,農業辞書
https://kyonou.com/contents/dictionary/article/%E4%BF%9D%E8%82%A5%E5%8A%9B%E3%81%A8%E6%9C%89%E6%A9%9F%E7%89%A9

ライタープロフィール

【畠中駿輔(ハタナカシュンスケ)】
慶應義塾大学卒。28才。
学生時代に東アフリカ6000kmを自転車で縦断。田舎の農村で見た人々の笑顔が忘れられず、銀行員を経て農業の世界へ。2019年日本の農業技術で世界の人々を豊かにするべくタイ北部に移住。 25aの圃場を立ち上げ、現地の方と共にイチゴの高設栽培をしている。

        


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