コラム

ブルーベリー栽培は養液栽培がおすすめ!その理由とは?

公開日:2022.03.08

果樹の中では比較的栽培の難易度が低く、加工品や観光農園など6次産業化にも取り組みやすいブルーベリーは、高収益化を考えている方におすすめの作物です。そこで今回は、既にブルーベリー栽培を行っている方や、これから始めようと考えている方向けに、おすすめの栽培方法である「養液栽培」のメリット・デメリットを紹介します。

1.ブルーベリーに適した土壌条件とは?

まずはブルーベリーに適した土壌条件についておさらいしていきましょう。ブルーベリー栽培において 土づくりは最も重要 な工程といっても過言ではありません。一般的な野菜はアルカリ性の土壌を好むため石灰などを施しますが、ブルーベリーは pH4.3~5.5と酸性土壌を好む ため、ピートモスを大量に施して土壌改良を行います。ブルーベリー栽培を行うには、 酸性土壌、通気性、保水性、保肥性といった4つの条件を満たす 必要があります。

2.ハウス栽培なら養液栽培がおすすめ

△ブルーベリーの花


前述の通り、ブルーベリーを一般的な土耕栽培で行うとなると 大規模な土壌改良を行うことが必須 となってきます。そのため、ブルーベリーが好む土壌条件を再現した「アクアフォーム」などの培地に点滴潅水チューブを設置して行う 「養液栽培」がおすすめ です。



養液栽培のメリット
●土壌改良が不要
●かん水作業が省力化できる
●ポットごと移動できる
●初期生育に優れている
●定植2年目からの収穫が可能
●露地栽培と比べて収量が多くなる

養液栽培のメリットは様々ありますが、なんと言っても 生育の早さが魅力の栽培方法 です。露地栽培とハウス養液栽培を比べた研究では、生育の速さや収量の多さから露地栽培と比べて 成園化が2~3年早い という研究結果も出ています。





養液栽培のデメリット
●土耕と比べて初期費用がかかる
●盗難の恐れがある

養液供給システムやアクアフォームなど特別な資材を用意する必要があるため、一般的な露地栽培などと比べると 費用が増える と考えた方がいいでしょう。 また、養液栽培ではポットを使用するので移動が簡単に行える反面、 盗難に合うリスクも高い と考えられています。




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3.ブルーベリー養液栽培の成功事例

「浜松ブルーベリー」が有名な静岡県浜松市では、生産者全員が養液栽培システムを使い、 高品質のブルーベリー作り に取り組んでいます。 また、ひと夏に一万人が訪れるという愛知県岡崎市のブルーベリーの観光農園でも、「生育が向上し多収栽培が可能となる」と養液栽培を取り入れています。収量が増える分、収穫の作業や手間が増えますが、それを観光農園ならではの「ブルーベリー摘み」という形で上手に補っています。 年60日ほどの営業で年収2,000万円 を実現しており、 儲かる仕組みづくり に成功しています。

東京農工大学の実証実験では、これまで不可能であった ブルーベリーの冬期出荷に成功 しています。四季を再現した植物工場を利用して果樹のライフサイクルの早期化の研究を行った結果「連続開花結実法」を用いることで、通年で果実を収穫することが可能になりました。また、収量も自然栽培と比べて 4~5倍多くなった という結果も出ています。現状、生産現場への実装は難しいようですが、植物工場で開花まで行えば既存のハウスなどでオフシーズンに収穫することも可能になるため、農作物を育てるのが難しい 冬期の収入源としても期待 できそうです。


この記事では、養液栽培のメリット・デメリットをご紹介しました。初期コストがかかる養液栽培は、既存のハウスや簡易的な養液供給システムを活用することで費用を抑えることも可能です。ハウスを利用したブルーベリー栽培を検討している方はぜひ、生育が早く多収が見込める養液栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。



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▼参考サイト
〇PRTIMES「日本発で世界初!東京農工大学が冬に旬を迎える国産大粒ブルーベリーの栽培に成功。500円玉超クラスの“クリスピーベリー”が伊勢丹新宿店にて販売開始。」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000089589.html
〇秋吉ファームガーデン「ブルーベリーの話」
https://akiyoshi-farmgarden.jp/garden/blueberry-story/
〇東北農業研究「初期生育が優れ早期多収が可能なハイブッシュブルーベリーのハウス養液栽培」
http://www.naro.affrc.go.jp/org/tarc/to-noken/DB/DATA/070/070-069.pdf

ライタープロフィール

かくやさゆり
種苗会社で培った経験と知識を活かしライターとして活動。 家庭菜園とアウトドア遊びが趣味の半農半ライターです。農業を中心にアウトドアをテーマにしたメディアでも執筆中。






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