コラム

たくさんの種類の農薬から、 あなたの作物に効果ある農薬を選ぶには?

公開日:2018.03.07

1. たくさんの農薬から効果ある農薬を選ぶための情報源とは

農薬の種類は新旧すべて並べた一覧を見ると無数に並んでおり、統一されていません。その中から自分の目的にかなう農薬を的確に絞り込むのは難易度が高いと思います。
さらに現場では病害、害虫ともに新農薬に対する抵抗性を持ちはじめることと、それに対応する新薬開発とのイタチごっことなっていることが多いようです。
実際栽培指導を行っていた筆者が農薬指導を行う場合は、各県試験場(または普及員)が行っている「作物ごとの農薬の防除効果検証の最新結果」を参考にしたり、その産地の農薬効果の傾向を聞き取って「薬剤同士のローテーションを組む」ようにしていました。
しかし、そこで注意が必要なのは、他の産地で防除効果が見られた農薬が自分の産地でも同じ傾向になるとは限らないことです。新薬(特効薬)を連用して新しい抵抗性病害(害虫)を蔓延させた産地と、多数の系統が異なる農薬を順序良くローテーションさせた産地とでは同じ名前の病害(害虫)でもその性質は全く異なっていることがあるからです。あくまで情報は参考として扱うことが大切です。
病害・害虫を防除するには明確な手順がありますのでご紹介します。

2. 病害・害虫の種類をはっきりさせる方法

当然ですが、相手がわからないのに農薬を残布するのは、お医者さんが診察しないまま手術を強行するようなものです。
診断(同定)手法としては、生理障害(環境・養分による障害)の可能性を含めて多方面の情報でネット検索が早いようです。
検索の際のポイントは

  • 病害の場合:被害部位、被害の色、形、健全部位との境界の症状、圃場での被害の分布(初期は坪状、後期は全体に広がる)
  • 虫害の場合:食害部の形状、被害の分布、虫の形状
  • 生理障害の場合:被害部位の色・形状、被害の分布(初期から圃場の広範囲にわたることが多い)、施肥・土壌分析との整合性


ただし、誤診の可能性もあるため自信がない場合には、JAまたは県の普及センター等の指導機関に相談してください。無料で相談ができます。それでも原因がわからない場合はそこから病害虫防除所、専門技術員(革新支援専門員)につないでもらい確実な診断結果を得ることができます。

3. 対応方法を決めるには

JA、普及センターが指導してくれる場合はその指示に従います。
自身で診断(同定)できた場合は、同じ作物の農薬効果試験結果(試験場、普及組織実施のものを検索)を参考にしながら「農薬登録情報検索クライアント/ACファインダー」などの無料ソフトで農薬の選定を行うのがおすすめです。これには予防効果、治療効果、残効性などの分類も明記されています。

4. 病害・害虫被害を繰り返さないために

なぜその病害・害虫被害につながったのか、原因を明確にする必要があります。害虫であれば侵入経路対策(防虫ネット、忌避剤、フェロモン剤、都道府県病害虫防除所の発生予察情報に基づいた予防防除)、病害であれば高湿度管理の見直し、排水対策、人為的な感染の回避など、根本的な発生原因を除去することが最も重要かもしれません。
とくに細菌性の病害、糸状菌性の病害ともにハウス内の結露、高湿度、空気の滞留が原因となることが大部分です。
1日の湿度、温度の流れをグラフにして常に結露しないような管理を行うことが重要となります。これを行うことで、ご自分の管理の問題点が明確になり、改善することで収量向上にも確実につながります。




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