コラム

トマト狩りが人気!新たな販売・PR方法で成功している農園特集

公開日:2021.10.20

1.美味しいトマトが食べ放題!? トマト狩りの魅力

観光農園といえばフルーツ狩りが定番ですが、いま、観光客にトマトの収穫体験をしてもらう「トマト狩り」を始める農家が増えているのをご存知ですか?たわわに実ったトマトがSNS映えするだけでなく、自分で収穫したものを食べる経験が食育にもつながることから、家族連れやカップル、幅広い年代の女性グループなど、老若男女に人気です。

収穫したトマトを好きなだけ食べられる食べ放題の農園や、糖度の高いフルーツトマトのもぎ取り体験ができる農園など、農園ごとに特徴はさまざま。今回は、実際にトマト狩りを実施している3つの農園をご紹介しながら、トマト狩りの魅力に迫ります!

2.トマト狩りを始めるメリット

すでにトマトを栽培している農家でも、トマト狩りを始めるには駐車場、休憩所、トイレなどの施設整備が必要です。収穫体験を前提とした圃場管理や接客にかかる人件費、宣伝費なども必要ですが、単にトマトを販売するよりも客単価が高くなることや、収穫の手間がかからないことなど、メリットもたくさん。わずかな傷が原因で規格外になってしまうトマトも、美味しく食べてもらうことができます。

なにより、生産現場を直接見てもらうことは、農園のファンを増やす絶好のチャンス。農業をより身近に感じてもらう機会にもなります。

3.トマト狩りが話題の3農園!人気の秘訣は?

井出トマト農園/神奈川県藤沢市

静岡県にも農場を構え、大玉・ミディ(中玉)・ミニ・房どりなどの多彩なトマトの生産から、トマトを使った加工品の製造・販売まで幅広く手掛けています。

トマト狩りは、「ハウスを見たい」というお客さんの要望に応えつつ、継続性や収益性も望める方法としてスタートしたもの。「私たちのトマトをもっと好きになってほしい」という想いで実施しています。農園オリジナルの高糖度品種「ハニードロップ」をはじめ、10品種ほどのトマトが食べ放題。完熟トマトを使ったこだわりのトマトジュースやケチャップ、ジャムなどの試食も大人気です。

▼井出トマト農園 HP






キノシタファーム/大阪府和泉市

有機肥料と土の入った袋に苗を植える「バッグ栽培」で、独自ブランドのミニトマト「アマメイド」を中心に生産しています。

バッグ栽培を始めた13年前から構想していたという観光農園を2021年春にオープン。バッグ栽培のおかげでトマトの食味が良いのはもちろん、ビニールハウス内が清潔でお客さんが汚れる心配もありません。一つひとつのバッグが独立しているので、品種の異なるトマトも栽培しやすく、手軽に食べ比べを楽しんでもらえるのもポイント。トマトへのこだわりをお客さんに伝えたり、お客さんの感想を聞いたりする交流の場にもなっています。

▼キノシタファーム HP






さいたま榎本農園(株式会社エノファ)/埼玉県さいたま市

トマトをはじめとする野菜の生産だけでなく、農業体験イベントや農家レストランの運営など、さまざまなアプローチから農業に取り組んでいる農園です。

トマト狩りを始めたきっかけは、ほかの野菜と合わせて実施したトマトの収穫体験が好評だったこと。「トマトのみでも喜んでもらえるのでは?」と考えたのが始まりです。もともと10品種以上のトマトを栽培しており、品種ごとの味や食感の違いを食べ比べできることが評判に。トマト狩りのあとは、隣接の農家レストランで食事を楽しむのがお客さんの定番コースになっています。

▼さいたま榎本農園(株式会社エノファ) HP

※現在は、コロナの影響で中止しています。再開時期については、農園へお問い合わせください。







トマト狩りは、トマトを中心とした農業経営に新たな付加価値を与える取り組みとして注目されています。興味のある方は、まずは実際にトマト狩りを体験することから始めてみてはいかがでしょうか?

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▼参考サイト

○キノシタファーム
https://kinoshitafarm.com/
○さいたま榎本農園
https://enomotofarm.wixsite.com/e-tomato
○井出トマト農園
https://www.idetomato.com/

ライタープロフィール

【にっく】
農業研究所の研究員として日本全国を飛び回ったり、アフリカ・東南アジアで農業技術普及プロジェクトに携わったり…国内外の農業に関わってきた経験を持つ農学博士です。圃場作業で汗を流すのが大好き。これまでの経験と知識を生かして、わかりやすい記事をお届けします!









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