vol.3 研修生として基礎を取得!過酷な農作業は楽しい『アグリサイズ』



公開:2021.11.10

farmingsekino



こんにちは。関野です!前回は私が伊豆の国市の研修生になるために受けた制度のことや現地見学会の様子、面接についてご紹介しました。今回は、受入農家さんの下で研修生として修業した日々をお伝えします!

●朝7時から研修開始!

基本、研修は朝7時~夕方17時頃。休憩はお昼休憩の1時間です。それ以外の時間はずっと作業を行っています。休日はありません。主な作業は、誘引・わき芽取り・葉かきです。トマトを栽培していく上で基本の管理作業です。受入農家さんからは、「栽培技術よりもまずは一つ一つの農作業を覚える事」「農作業に慣れる体を作ることがまずは大事」と教えてもらいました。

夏場のハウスは40℃を超え、湿度も高いため本当に辛いと感じました。もちろんこまめな休憩や水分補給をさせてもらえますから、塩飴をなめたりしながら熱中症にならないように気を付けていました。

●苦労した誘引作業

農作業の中で最も、苦労したのは誘引作業です。とても大変でした。誘引する高さは約2mあるため、コンテナを台にしてその上に乗り、常に両手を挙げた状態で作業を行います。身長164㎝の私にはかなり辛い作業で、特に首・肩・背中に負担がかかります。
また、畝の長さは約50m。それを往復すると約100mです。その間ずっと同じ作業が続きます。



吹き出し

誘引(ゆういん)とは、植物の茎やつるを支柱などに結びつけて固定し、植物の伸びる方向や形・バランスを整える作業です。誘引もわき芽取りも葉かきも、人の手でしかできない作業なので何度もやって体で覚えるしかありません!収量にもつながる大事な作業なので、腕がパンパンになっても一生懸命やりました!



▲誘引作業




●辛い作業を乗り越える「アグリサイズ!」

露地とは違うハウス施設の環境で、同じ作業を長時間行うことに気が滅入ることもありますが、私は考え方を変えることで乗り越えることができました!
農作業というと、“百姓仕事”というイメージにつながり、辛い作業だと感じてしまいます。そこで、農作業=『アグリサイズ』と変換してみました!農業で行うエクササイズだと思うことにしたのです。 それからはとても気持ちが楽になりました。ジムに通わなくてもムキムキになれるのですから、筋トレをしながら仕事もできるなんて一石二鳥です!日頃の『アグリサイズ』のおかげで、肩から腕にかけて体が大きくなりました。

農作業が過酷肉体労働だとしても、これからも『アグリサイズ』で乗り越えられる気がします!ムキムキ農家ってかっこよくないですか?

吹き出し

「農業」の意味である「アグリ」と「エクササイズ」をかけて、『アグリサイズ』!我ながらいい言葉を作ったと思いました!これからもっと地元:伊豆の国市の魅力と共に『アグリサイズ』も広めていきたいです!



●ハウス内環境も体感で覚える

基本の管理作業を繰り返し行い、体に覚えさせていくのですが、私の受入農家さんは環境制御やクラウドについても教えてくれたので、天窓・カーテンの操作も行っています。1日中ハウスの中で過ごしていると、ハウス内の環境(温度・湿度・風向き、日差し)変化を肌で感じることができるようになります。

ハウス内での作業は企業とは違って解放感があるため、緊迫感もなく集中して作業ができます。



▲受入農家さんからの指導




●受入農家さんとの相性が大事

人間ですから、やはり受入農家さんとの相性ってあると思います。
どこの受入農家さんの下で研修をするのか、これはとても大事な選択になります。私の受入農家さんは年も近く、気さくな方なので、とても話しやすいです。兄のように慕っています。これが遠慮して「疲れている」と言えなかったり、「この作業がうまくいかない」など相談ができない関係だと、とっても辛いです。

私は受入農家さんのおかげで、農業のたのしさを知ることができました。本当にラッキーでした。

吹き出し

現地見学会などで、事前に受入農家さんと色々な話をして、相性を確認しておくとよいと思います。どこの職場でも人間関係は大事です。







◆活用した制度や補助金について

・青年等就農計画制度

新たに農業経営を始める人を応援する、国の「青年等就農計画制度」というものがあります。
この制度で借入できる「青年等就農資金」の返済期間は、17年以内(うち据置期間5年以内)、融資限度額3,700万円(特認1億円)、利率(年)無利子(借入の全期間にわたり無利子)です。新規就農者にとってはかなり嬉しい資金で、自分のハウスを建設するときに利用します。
青年等就農資金を借入するために必要なことは、「認定新規就農者」になる事です。認定新規就農者になるためには、「青年等就農計画」という5年間の経営計画書を提出し、市県、JA職員の方々と面接を行い合格する必要があります。
  →くわしくはこちら

・農業次世代人材投資資金

国の「農業次世代人材投資資金」という補助金があります。農業経営を目指す人を後押ししてくれる資金制度です。
就農予定時の年齢は49歳以下が対象です。準備型と経営開始型があり、「準備型」は都道府県が認める研修機関の研修を受ける就農希望者に最大2年間。最大150万円を交付される補助金です。 「経営開始型」は、新規就農する人に農業経営を始めてから経営が安定するまで最長5年間のうち、経営開始1~3年目は年間150万円、経営開始4~5年目は年間120万円を定額交付される補助金です。
※経営開始型は、認定新規就農者になる事が条件です。 私は「準備型」の補助金を頂いています。
  →くわしくはこちら



次回、ハウスの建設準備スタート!排水対策が一番大事!



プロフィール

伊豆の国市/関野 陽平

静岡県伊豆の国市出身。
2017年にJAを退組し、ワーキングホリデーでオーストラリアへ渡航。そこで経験したファーム生活で農業への興味が湧き、大好きな地元:伊豆の国市で農家になることを決意。 帰国後「がんばる新農業人支援事業」に応募し、合格。ミニトマト農家になるため、受け入れ農家の元で研修に励み、独立に向けた準備を進めている。








Facebook