コラム

完熟堆肥とは?種類や使い方その効果をご紹介!

公開日:2021.03.04

1.施設園芸に最適!完熟堆肥とは?

施設園芸・露地栽培を問わず、土づくりに欠かせないのが堆肥の存在です。完熟堆肥とは、 その堆肥の中でも分解・発酵が十分に行われたものを指し、完熟肥料と呼ばれることもあります。 熟度の低い未熟堆肥は土壌障害を引き起こす要因となるため堆肥選びには注意が必要です。

特に施設園芸では、露地栽培に比べて年間の作付期間や回数が多いため、 土壌障害の起きにくい完熟肥料の利用がおすすめです。そこで今回は、完熟堆肥の種類や見分け方についてわかりやすく紹介していきます。

2.完熟堆肥の種類とその効果

完熟堆肥は大きく、牛糞など家畜の糞を用いた「動物質堆肥」と、腐葉土など植物繊維を用いた「植物質堆肥」に分けられます。それぞれの栄養分や濃度は、由来する生物や堆肥化、加工等のプロセスにより異なるため目的に応じた選択が必要です。



動物質堆肥

動物質堆肥とは、 鶏・豚・牛・馬など家畜の糞尿を使用した堆肥のことです。窒素やリン酸、カリウムなどが含まれているため、養分の供給を目的とした肥料効果を狙い使用します。
また、動物質堆肥中の肥料成分は、馬、牛、豚、鶏の順で高くなります。特に鶏の糞尿を使用した発酵鶏糞は、肥料成分が豊富なため化学肥料並みの即効性に期待できます。

△牛糞




植物質堆肥

植物質堆肥とは、 落ち葉・もみ殻・バークなど植物繊維を使用した堆肥のことです。肥料としての効果はあまり期待できないため、土壌内の通気性の確保や肥料もちを良くする目的で使用されます。
また、土壌内の有機物を増やす役割にも期待できるため、やわらかくフカフカの土をつくることができます。

△バーク肥料




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3.未熟堆肥に注意!完熟堆肥の見分け方

未熟堆肥の使用は、土中の窒素分を奪い窒素欠乏を起こしたり、土中温度を上昇させるなど土壌障害の原因となります。誤って未熟堆肥を利用しないために、見分け方のコツを覚えておきましょう。

完熟堆肥と未熟堆肥の見分け方で大切なことは、①臭い②色や形➂湿り気の3つです。
家畜の糞などの臭いは発酵や分解が進むと減少し、腐葉土などに使用される植物繊維は、原型を留めることなく黒色に変化します。また、完熟堆肥は水分量が少ないため、手に取ってもあまり付着しません。

CHECK POINT ①臭い

…糞尿独特のアンモニア臭はしないか?


②色や形

…落ち葉やもみ殻の原型はなくなっているか?


③湿り気

…触ったときに手に付き過ぎないか?






完熟堆肥は、土づくりや施肥の観点から非常に有効な手段の一つです。しかし、誤った使い方をすると、作物の品質や収量を下げることにもなりかねません。実際の使用に際しては、土壌診断を行った上で、農協さんや周りの農家さんからも情報収集してみるとよいでしょう。




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▼参考文献
〇有機農業の基礎知識〔土づくりと施肥管理〕,〔農林水産省補助事業〕平成26年度生産環境対策事業
https://japan-soil.net/report/h26vision_rpt02.pdf
〇第1章 堆肥の適正術と施用効果,岡山県
https://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/388931_2254760_misc.pdf

▼参考サイト
〇千葉県
https://www.pref.chiba.lg.jp/chikusan/taihiriyou/tokuchou.html

 

ライタープロフィール

【畠中駿輔(ハタナカシュンスケ)】
慶應義塾大学卒。28才。
学生時代に東アフリカ6000kmを自転車で縦断。田舎の農村で見た人々の笑顔が忘れられず、銀行員を経て農業の世界へ。2019年日本の農業技術で世界の人々を豊かにするべくタイ北部に移住。 25aの圃場を立ち上げ、現地の方と共にイチゴの高設栽培をしている。

    
    


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