コラム

灰色かび病に注意!<野菜も花きも感染>被害が広がる前に対策しよう

公開日:2020.07.15

1.施設栽培で発生しやすく蔓延しやすい「灰色かび病」

灰色かび病は名前の通り、かびが原因の病気です。ほとんどの植物で発生し、トマトやピーマン、いちごなどの野菜だけでなく、ぶどうやミカンなどの果樹やバラやシクラメンなどの花きも感染します。

20℃程度で湿度が高いときに発生しやすいため、 施設栽培では特に注意したい病気です。病斑には灰色のカビが密生することが多く、収量や観賞価値の低下を招きます。多発すると防除は困難で、あっという間に施設中に蔓延します。

そこでここからは、灰色かび病の効果的な対策について発生予防や初期防除に重点を置いてお伝えしていきます!

2.予防と初期防除に力をいれよう!【7つの対策】



① 換気

多湿条件で発生しやすいので、とにかく湿度を低く保つようにします。換気に努め湿度80%以下を目指しましょう。密植や過繁茂を避けて風通しを良くすることも大切です。









②葉の水滴対策

葉がずっと濡れていると病気にかかりやすくなります。葉に結露ができるような大きな温度差が施設内で生じないよう調整しましょう。潅水はできるだけ葉にかからないよう気を付けます。昼間になっても葉に水滴が残っている場合は、換気、送風、暖房等を使って徹底的に除湿しましょう。









③被害部位の除去

被害部位は新たな感染源となります。見つけ次第取り除き施設外へ持ち出し処分します。枯れた部分にも病原菌が残っているので枯葉もできるだけ取り除きます。栽培後の残さを施設内にできるだけ残さないようにすることも重要です。









④花がら摘み

果菜類では咲き終わった花に感染してからそこを足掛かりに幼果を侵します。そのため、受精が終わった花の花弁はこまめに摘み取りましょう。









⑤マルチの使用

病原菌は土壌で越冬できます。潅水時の泥はねなどからの感染を防ぐにはマルチが有効です。マルチの下で潅水すると施設内の湿度対策にもなります。


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⑥紫外線カットフィルムの使用

施設にUVカットフィルムを張ることで灰色かび病の被害を抑えられます。灰色かび病だけでなくアブラムシやコナジラミ対策にも効果的です。ただし、ミツバチを利用している場合やナス栽培には使えないので注意しましょう。










⑦農薬の使用

発病前から農薬の予防散布を行うことが重要です。耐性菌が発生しやすいため、同一系統の農薬の連用は避け他系統の農薬とローテーションを組んで用いることが重要です。化学農薬の使用を減らしたい場合には、市販の微生物農薬や特定農薬の重曹や電解次亜塩素酸水の使用が効果的です。


灰色かび病を抑えるには、施設内の環境を病気が発生しにくいようにコントロールすることが重要です。そのうえで農薬などを効果的に使用して病気を徹底的に封じ込めましょう。



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▼参考サイト
〇野菜共通 灰色かび病,愛知病害虫情報,愛知県
https://www.pref.aichi.jp/byogaichu/seitaitoboujyo/yasaikyoutuu/yasai-haikabi.html
〇施設共通-灰色カビ病(Botrytis cinerea),茨城県
https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/nosose/byobo/boujosidou/shiryoshitsu/shiryo-haiirokabi.html
〇ボトリチス(灰色カビ病),cyclamen.com
https://www.cyclamen.com/ja/professional/diseases/8/20
〇微生物殺菌剤,日本生物防除協議会
http://www.biocontrol.jp/sakkinzai.html
▼参考文献
〇特定農薬(特定防除資材)として指定された資材(天敵を除く)の留意事項について,農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/kokuji_tuti/tuti/attach/pdf/t0000920-1.pdf

ライタープロフィール

【haruchihi】
博士(環境学)を取得しています。
持続可能な農業を目指し、有機質肥料のみを使ったトマトや葉菜類の養液栽培を研究してきました。研究機関やイチゴ農園で働いた後、2児の母として子育てに奮闘する傍ら、家庭菜園で無農薬の野菜作りに親しんでいます。








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