コラム
公開日:2021.03.23
※出典元:ニプロ 松山株式会社
緑肥や作物残さなどを圃場にすき込む際には、ロータリーやブラウを使うのが一般的ですが、分解を促すにはフレールモアを使って細かく粉砕した後にすき込むのが効果的です。今回は、フレールモアの特徴とメリット・デメリット、そしてハウス栽培での有効な使い方について解説します。
草を刈る機械は、肩かけや背負い式タイプの「刈払機」と乗用タイプや自走式タイプ、トラクターに取り付けるタイプの「草刈機(モア)」に分けられます。また、草刈機(モア)は刃の形状の違いによって、「ロータリーナイフ式」と「ハンマーナイフ式」があります。
ロータリーナイフ式は、地面と水平に取り付けられた刃が回転して草を刈っていく方式です。ハンマーナイフ式は、回転するドラムにイチョウ型の爪または2枚のブレードがY字で1組になったフレイル爪が取り付けられていて、縦に回転しながら草を巻き込んで刈取っていく方式です。このハンマーナイフ式の草刈機(ハンマーナイフモア)の中で、トラクターに取り付けて使用するものを「フレールモア」と呼んでいます。
ここからは、フレールモアを使うメリットとデメリットをご紹介します。
フレールモアのメリットは、背の高い草も刈ることができ、草を刈りながら細かく粉砕するので、刈った草を集める必要がないことです。草刈りだけでなく、緑肥作物や収穫後の作物残さの処理に使用すると、細かく粉砕することができるため土壌内での分解が早まります。
一方デメリットは、刃の数が多いため替刃を交換する際に、手間とコストがかかってしまう事です。なお、替刃は通販でも販売されており、純正品だけでなく汎用の商品もあります。また、価格が高いこともデメリットと言えます。中古も販売されることがありますがメンテナンスや刃を交換する費用なども含めて、新品にするか中古にするかしっかり調べたうえで選びましょう。
フレールモアは、トラクターに取り付けるため狭い場所での細かな作業には向いていません。ハウス内で使用する時には、ハウスの中央部に作物残さを集めて粉砕するとよいでしょう。長いもの、硬いもの、高さのあるものでも刈り取ることができるので、トウモロコシの太い茎や長く伸びやカボチャのツル、立ったままのピーマンなどの残さも細かくすることができます。
インターネット上には、トラクターのロータリーを改造してフレールモアを自作している情報がありますが、こちらも結構な手間とコストがかかるうえ、安全性も確認でません。自作よりも安全に使える純正品の購入をおすすめします。
▼参考サイト
○フレールモア FN02Rシリーズ – 製品紹介,ニプロ 松山株式会社
https://www.niplo.co.jp/products/cat-1/product-01.php?c=b100&id=225
○新規就農者さん必見!【草刈機とは / モア編】,ノウキナビ ブログ
https://www.noukinavi.com/blog/?p=4184#:~:text=%E3%83%A2%E3%82%A2%E3%81%AF%E5%BA%83%E3
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○ハンマーナイフモア(フレールモア),現代農業用語集
http://lib.ruralnet.or.jp/genno/yougo/gy166.html
○草刈機(刈払機)って??,草刈機・刈払機なら農機具のアグリズ!
https://www.agriz.net/mower/contents001.html
○【徹底比較】自走式草刈機おすすめ12選!選び方から使い方まで, AGRI PICK
https://agripick.com/104
ライタープロフィール
【都良TORA(田口 忠臣)】
北海道在住のフリーライター。
6次産業化やグリーンツーリズム、農産加工品開発のコンサルティング・ブランディングを行う仕事をしていたことから、その知識を活かして食や観光・農業に関する記事を書いています。
保有資格:北海道観光マスター、食生活アドバイザー、日本酒ナビゲーターなど