コラム
公開日:2022.07.05
近年、インターネットを利用して農産物を販売する生産者が増えてきています。新たな販路を開拓したいという方は、比較的簡単に始めることができる直販サイトの利用を検討してみてはいかがでしょうか。今回は、直販サイトを利用して農産物を販売するメリットや注意点とおすすめのサイトを紹介します。
農産物の直販サイトを利用する最大のメリットは、販路開拓がしやすいという点です。インターネットを介して農産物に関する情報やこだわりを全国の消費者にアピールできるため、地元だけで販売を行うよりも売り上げが伸びやすく農園のブランディングにもつながります。 直販サイトを利用するには手数料がかかるものの、消費者と直接やりとりするため従来のような複雑な取引がなく、今まで以上の利益を得ることも可能です。
農産物の直販サイトでは、通常の流通ルートでは販売することが難しい規格外品や訳あり品など商品も売ることができます。規格外品を販売することには賛否ありますが、自分たちで育てた農産物をできるだけ無駄にしたくないと考えている生産者には嬉しいポイントです。
農産物の直販サイトは、スマートフォンアプリで出品から売り上げ管理までできるものが多く、手軽に農産物の出品が行えるというのも魅力の一つです。集客も自分で行う必要がないため売れやすいという特徴もあります。利益のことを考えると自社のECサイトを立ち上げるのが有効ですが、在庫管理や集客などあらゆる作業を自分で行う必要があるため、できるだけ負担を増やさずに販路を開拓したいという方には直販サイトを利用するのがおすすめです。
ブランディングのコツについては、こちらの記事を参照してみてください。
ここからは、新たな販売ルート探しに役立つ農産物の直販サイトの特徴やおすすめポイントを紹介します。
産直アウルは、フリマアプリのような感覚で簡単に出品が行える農産物の直販サイトです。注文が入り次第梱包して、配送業者に集荷依頼をするだけ。送り状の作成は必要ありません。消費者とコミュニケーションが取れるトーク機能があるため、商品についての情報交換や感想のやりとりをリアルタイムで行えるのも魅力のひとつです。購入者には消費者だけでなく、飲食店の経営者などもいるため大口取引や定期購入なども見込めます。
農家直売どっとこむは、生産者が丹精込めて育てた農産物を適正価格で販売したいという思いから誕生した直販サイトです。注文や電話対応など、受注にまつわる業務は全て農家直売どっとこむが代行してくれます。代引き手数料や配送料が無料なので消費者も購入しやすいという特徴があります。
ゴヒイキは、消費者が700~100,000円の間で金額を提示し、欲しい金額の分だけ購入ができるリクエスト方式の直販サイトです。販売する商品に関しては生産者が決める仕組みになっているため、その時々で食べてもらいたいおすすめの農産物を販売することができます。リクエストに応えられない場合は承認しないという選択も可能です。
JAタウンは、JA全農が運営している農産物の直販サイトです。出店申し込みから開店までは1ヶ月程度の時間が必要ですが、1つのショップにコンサルタントが一人付くので出店に関する不安や疑問点などは何でも相談することができます。ショップページのデザインやオンラインで行う操作研修なども無料で実施しています。
コダワリノワは、小型農業機械などを作る株式会社オーレックが運営する農産物の直販サイトです。コダワリノワでは、農薬や化学肥料の使用をできるだけ抑えて栽培された農産物や、環境負荷の少ない生産方法を採用していることなどを商品の選定基準としています。 有機栽培を行っている生産者や生産方法にこだわりを持っている方におすすめの通販サイトです。
直販サイトの利用はメリットばかりではありません。農産物の注文が入ったら、基本的には生産者自身が梱包を行い、配送業者へ集荷依頼をする必要があります。サイトによっては梱包方法が指定されているケースもあり、梱包作業に対して負担に感じる場合もあるでしょう。また、売り上げが入金されるまでにタイムラグが生じることもあります。一連の流れや細かい規定などを情報収集し、ご自分のスタイルにあった販売方法を選ぶことをおすすめします。
直販サイトは販路を開拓したいと考えている生産者にとっては手軽に出品できる素晴らしいサービスです。ぜひ今回紹介したサイトを参考にしていただき、ご自分に合った販売方法を見つけてみてください。
▼参考サイト
産直アウル
https://owl-food.com/
農家直売どっとこむ
https://www.e-noson.com/
ゴヒイキ
https://gohiiki.com/
JAタウン
https://www.ja-town.com/shop/f/f0/
コダワリノワ
https://kodawarino-wa.com/
ライタープロフィール
かくやさゆり
種苗会社で培った経験と知識を活かしライターとして活動。
家庭菜園とアウトドア遊びが趣味の半農半ライターです。農業を中心にアウトドアをテーマにしたメディアでも執筆中。