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【栽培への取り組み】農業歴30年!親子二代、農業で生計を立てるコツとは?

公開日:2018.06.29

20歳で葉タバコ、水稲を始めて以来30年。 露地から施設園芸まで様々な栽培に取り組みながら今年で還暦を迎える飯嶌さんに、キュウリ栽培への取り組みをインタビューしました。

農業を始めて30年との事ですが、長年生計を立ててこられたコツは何ですか?

重要なことは販路の確保ですね。現在農協の他、2ヶ所の道の駅に出荷をしています。品質に問題はないのに、カタチなどの問題で農協向けとしては売れないものも、道の駅ならば“商品力があれば”お客さんが買ってくれます。長年“直売事業”に関わり続けた結果、今では1日400~500袋売れるようになりました。
私は露地栽培もやっているのですが、小松菜の市場価格は不安定です。1袋10円、20円のときもありました。でも直売なら、自分で評価して値段がつけられます。そして、お客さんが求めるものと合致すれば、見た目が悪くても買ってくれるのもうれしい点です。

そうやって良いものを作り続けてきたからこそ、リピーターがついてくれるようになったのだと思っています。お客さんは美味しいものをわかってくれるのです。


リピーターがつく良い品質を維持する為にどのような事をされているんですか?

ネポンの「アグリネット®」を使い、栽培環境の様子を常に見ながら、昨年と比較したりデータを元に管理しています。就農して10年の息子にも「データ収集と日誌は毎日欠かさないように!」と教えてきました。

作物に何かあったときに、昨年と比べて何が良くなったか悪くなったか、何が原因なのか考える材料としてとても大切です。

部会の役員をやっているとき(平成22年)に始まった事業がきっかけでネポンの「アグリネット®」を導入しました。ネポンは不都合があれば改善してくれるし、とくに問題もないのでずっと使っています。また、炭酸ガスの施用も品質・収量アップには欠かせません。

資材は値段で決めません。長く使うためにはメンテナンスが大事なので、代理店のアフターフォロー(その後の対応)で決めます。長くお付き合いできる関係が大切だと思っています。


品質と収量アップに炭酸ガスは欠かせないとの事ですが、何かコツがあれば教えてください。

春は炭酸ガスでの施用を停めることでコストを抑え、その代わりにカーテンを全開にしてハウスを開放し、自然の炭酸ガスを入れます。この時、カーテンを覆ったままにすると濃度が200PPMくらいまで落ちてしまうので必ず全開にします。
しかし、発生器を早くに停めすぎて炭酸ガスが不足してしまうとキュウリの生育に良くないです。もちろん炭酸ガスも安くはないので、ここはコストとのバランスも考え、ハウスを全開放するタイミングには気をつけています。
タイマー施用のときはこれをアバウトでやっていましたが、今は濃度を見て判断ができるようになったので、3月下旬頃に発生器を停めるようにしています。炊き出すのはまた炭酸ガスの濃度を見ての判断になりますが、だいたい11月下旬頃です。

長く施設園芸を続けられている中で、こだわっている事はありますか?

世の中は自動化が進んでおり、それも良い事だと思いますが、やはり収穫をしながら自分の目で虫や生育を見るのが理想だと思っています。収穫ロボットでは、葉の後ろに隠れている作物の見落としもあるでしょうから、人の手でないとできないこと、わからないことがありますよ。

私のハウスには臨時雇用のパートさんや研修生が何名かいます。それぞれ経験も能力も違いますから、“おかしなことに気づく”のは難しいです。経営者が「こんなときは報告してね」と体制を整える必要があります。家族の中だって見方や考え方は違うし、病気の見落としもあります。
上手く回さないとせっかくの作物がダメになってしまいます。みんなが出来るようにするにはどうしたらいいか?細かいところまで気を使いますね。

現在、多品目を扱っており、露地栽培では小松菜やホウレン草などの葉物、施設園芸ではきゅうり栽培をやっています。ロングランで収穫が出来、栽培品質も上がり、土壌のバランスも取れてきました。多品目で売り上げが上がってきたのは、地道な努力をして、家族で協力し合ってきたからこそです。
もちろん、多品目栽培はその分大変ですよ。だけど、次は大玉のトマトに挑戦してみようと思っています!

記事内で紹介されているおすすめ機器

ネポン株式会社
農業クラウドサービス アグリネット®


ハウスの情報


ハウス:パイプハウス
天窓:自動開閉装置
カーテン:保温(タイマーで自動)
暖房機:重油式暖房機
その他:ガス燃焼式炭酸ガス発生装置、
循環扇


ハウスの様子



キュレータープロフィール

千葉県/キュウリ生産者 
飯嶌さん

千葉県旭市でキュウリを生産している。
旭市の農業産出額は県内1位となっており、きゅうりの主要生産地。飯嶌さんは地元で有名な生産者でもあり、キュウリ以外にも露地栽培なども行っている。知識や経験が豊富で、栽培に関する様々なお話を伺うことができる。取材担当者より

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