アグリキュレーター

海外研修生の受け入れやパート雇用を行う【経営者としての取り組み】

公開日:2018.10.30

海外研修生やパート雇用など、経営者の顔をもつキュウリ栽培農家。
インタビューの中で、「私たち農家も、サラリーマンのスーツと同じように仕事着が必要。仕事着に着替えることで”仕事をするぞ!”という気持ちの切り替えができます。」と農作業着へのこだわりも話す木村さんに、経営者としての取り組みを伺いました。

現在どのような栽培経営を行っていますか?

ハウス栽培と露地栽培どちらも行っています。
ハウスでは、キュウリを栽培しています。経営するハウスは9ヵ所に分散していて、パイプや鉄骨ハウスなど様々。ハウス全体で1.1ha程になります。露地の品目はキャベツとレタス、そして今年から、とうもろこし・ブロッコリー・カリフラワーの栽培も始めました。

ハウス栽培は、露地栽培に比べると比較的収益が安定しています。
さらに雨が降っていても作業ができるので、“今日は雨だから仕事ができない”という問題が起こりません。海外研修生やパートさんも働いているので、仕事量が天候に左右されないことはハウス栽培の大きなメリットですね。

たくさんのパートさんが働かれていますが、人を雇用することの難しさ、また大切にしていることはありますか?

今、海外研修生6名とパートさん12名が働いています。パートさんは30代~70代までと幅広い年代の方がいます。女性が多く賑やかですが、お子さんがいると夏休みなど大型連休はお休みされることがどうしてもあります。その時に作業ができないことで計画がズレてしまうということもありますが、現在は海外研修生をメインにすることでカバーしています。

人を雇用する上で一番大切にしていることは、”コミュニケーション”ですね。まだ足りないって言われますけど…。(笑)
1~2ヶ月に1回は研修生と食事に行ったり、お酒を飲みに行ったりしてコミュニケーションをとるように心がけています。

海外研修生の受け入れについて聞かせてください。

今働いている研修生は、バリ島出身の方たちです。
海外の方は、日本人にはないハングリーさを持っています。日本人慣れしているということも受け入れの決め手ですね。

ほとんど日本語が話せない研修生もいますが、一緒に働いている人たちが教えながら勉強していますね。彼らの母国語はバリ語とインドネシア語ですが、母国語で話されてもわたしは全然分かりません。「日本語を覚えなさい」と言っています。(笑)
去年から働いている方たちは、今はある程度は話すことができるようになり、普通に会話できますよ。

研修生は、”農業がしたい””技術を持ち帰りたい”という気持ちの方ばかりではないですが、「とにかく日本語を覚えて、日本のビジネスを学んで帰りなさい」と伝えています。バリ島は観光の国で日本人も多いし、発展途上でビジネスチャンスがまだまだあるので、そういう意識をもたせるようにしています。

木村さんは多くの知識をお持ちですが、現在栽培していく中でこだわっていることを教えてください。

苗の品種は“味”にこだわっています。一番美味しいと言われる品種を持つメーカーさんの苗を使用しています。耐病性品種の中でも味がいい品種です。
あとは、一番こだわっているのは“土”。環境制御も行っていますが、環境制御は上の部分。下の部分というのはなかなか見えない部分ですが、微生物などの力も借りて良くしていこうとしています。土を良くしてあげれば、基本的に味も良くなるし、根の張りも良くなります。

出来るだけ栽培の知識を得るようにしています。例えば、「今年は光合成について、もっと深く知りたい」と思えば、農機具メーカーさんの講習会に参加することもあります。常に情報が入ってくるようにアンテナを張っていますね。
栽培や雇用をしていく中で、新たなビジネスチャンスがないかなと考えています。


ハウスの情報


ハウス:パイプ、鉄骨合わせて9ヵ所/1ha
カーテン:遮光
その他:炭酸ガス発生装置、モニタリング


ハウスの様子



キュレータープロフィール

埼玉県/キュウリ生産者 
木村さん

県内有数のキュウリ産地である埼玉県本庄市。
農業歴17年目という木村さんは、ハウス栽培だけでなく露地でキャベツやレタス、とうもろこしなど様々な品目の栽培をされている。
多くの海外研修生やパートさんも雇用。栽培者としてだけでなく、経営者としても様々な取り組みをされており、経営に関する貴重なお話も伺うことができた。取材担当者より

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