オオタバコガを駆除！春から秋の対策と効果的な防除方法

１.春から秋に発生の多いオオタバコガ

オオタバコガは、トマトやナスなどナス科野菜でよく知られた害虫ですが、幅広い作物を食害します。春から秋にかけて発生しやすく、蛹で越冬した成虫が5月下旬頃から出現し1匹で何百個もの卵を産みます。幼虫は7月上旬頃から発生し約1か月間隔で秋まで何度も発生します。

問題となるのは幼虫で、葉を食害するだけでなく蕾や果実に潜り込んで中を食い荒らし、１cm程度の穴をあけます。1匹の幼虫が移動しながら様々な部位を食い荒らすため、幼虫数が少なくても大きな被害が出る可能性があり、注意が必要です。さらに植物に潜り込んだ幼虫は農薬がかかりにくいうえ、老齢幼虫になるほど薬剤が効きにくくなる厄介な害虫です。

そこでここからは、オオタバコガの効果的な対策や防除方法についてお伝えしていきたいと思います。

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２.オオタバコガの効果的な防除方法

オオタバコガを防除するための、効果的な方法5つをご紹介します。

①防虫ネット

施設の入り口や天窓、サイドなどの開口部に4mm目合い以下の防虫ネットを張って成虫の侵入を防ぎます。基本的な対策ですが効果的なのでしっかり行いましょう。

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②黄色灯

夜に活動するオオタバコガの生態を利用し、夜間に黄色灯を点灯し昼と勘違いさせ交尾や産卵を抑制します。
※ただし、キクやイチゴなど作物によっては生育に悪影響を及ぼす恐れがあるので注意しましょう。

③捕殺

栽培期間中を通して、卵や穴の開いた果実などを見つけたらすぐに除去して潰しましょう。虫糞は周囲に幼虫がいるサインです。

④農薬

蕾や果実など幼虫が潜り込みそうな場所を重点的に農薬散布しましょう。老齢幼虫になる程効きにくくなるため、若齢幼虫を狙うようにします。特に発生のタイミングが比較的揃っている第一世代をしっかり防除しましょう。

薬剤抵抗性が発達しているため、農薬は慎重に用いましょう。連用は避け、登録農薬の中から系統の異なる複数のものを選んでローテーションを組んで使うようにします。毒性の高いとされるネオニコチノイド系やネライストキシン系でも効きはいまいちで、アファーム®、スピノエース™、トルネードエース®、フェニックス®、プレバソン®は効果が期待できます。

天敵微生物を利用した農薬では、アイザワイ系でなくエスマルク®などのクルスターキ系が効きます。遅効性ですが、脱皮や羽化を阻害するIGR剤も高い効果が望めます。

※ただし地域や個体群によっても効果は異なるため、何を使ったらよいか悩ましい場合には地域の指導機関などに相談されることをおすすめします。

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⑤耕起

栽培終了後、冬や春先にかけて丁寧に耕起することで土中に潜む蛹を駆除し次作に備えます。

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オオタバコガ対策では、成虫は防虫ネットや黄色灯、幼虫は捕殺や農薬、蛹は耕起とステージごとに効果的な方法を駆使して被害を抑えましょう。農薬を使う場合は薬剤抵抗性が発達しているため、その選定が肝ですよ。

▼参考サイト

〇共通害虫-オオタバコガ, 病害虫資料室,農業総合センター病害虫防除部(病害虫防除所), 農業総合センター, 出先機関,農林水産部,茨城県の各部局の業務案内,茨城県
https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/nosose/byobo/boujosidou/shiryoshitsu/shiryo-t-ootabakoga.html
〇48話オオタバコガの生態と防除法、バックナンバー,害虫と病気の話,病害虫・雑草防除ガイド,農業農薬syngenta
https://www.cp.syngenta.co.jp/cp/columns/view/?column_id=50
〇トマトをオオタバコガの被害から守るには？見分け方と駆除方法を解説,農業関連,コラム,セイコーエコロジア
https://ecologia.100nen-kankyo.jp/column/single040.html

▼参考文献

〇7-3.オオタバコガ,農作物病害虫防除参考資料,農業水産振興課,食と農の振興部,県の組織,県民情報,奈良県
http://www.pref.nara.jp/secure/42654/7-3_tobacco_budworm.pdf