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儲かる農業は“攻めの農業”!念願の法人化を叶え、さらなる収量アップ、販路拡大を目指して<前編>【栽培歴18年】

2018.11.30

栃木県の足利市で9年も前に高軒高耐久性ハウス(超低コスト耐久性ハウス)を購入し最先端の環境制御に取り組んできた堀越さん。50人以上いる部会の相談員も務め、リーダーシップを発揮されている。最近では念願であった法人化を叶え、今後一層の活躍が期待される栽培歴18年のベテラン農家。
その取り組みについてインタビューしました。

最近法人化されたと聞きましたが、どんなメリットがありますか?

そうですね、今年の10月に法人化しました。農家を始めた時に、いずれは法人化したいと思っていたので目標が一つ叶いました。当時(18年前)は法人化だなんて、何を言っているんだという風潮がありましたが、最近では法人化される方も多いですよね。
法人化する1番のメリットはお金を借りられる限度枠が広がることです。個人の限度枠は1,800万円だけど、法人になると3,700万円まで借りられます。ハウスのビニールを張り替えるだけで、あっと言う間に限度枠を超えてしまいますからね。規模を大きくして色々なことをやりたい人は法人化したほうがいいだろうし、今の現状で満足しているのであればしなくてもいいと思います。

法人化するだけなら意外と簡単なのですが、そのあと農業委員会から農地所有適格法人の許可をもらうのが審査もあって難しいです。農家やりますと言って権利をもらって土地を買ったはいいけど、その土地を売って工場立てちゃいましたって不正を防ぐためですね。それから、認定農業者(または担い手農業者)をもっていないと国の補助金なんかも一切入りません。この認定を受けることで金融措置や税制措置などの支援を受けることもできます。認定農業者であることが条件になっている国の事業が増えていますね。

現在の雇用形態はどのようになっていますか?

現在はパートさんを7人(男性1人、女性6人)雇用しています。
今のパートさんたちはJA足利の無料紹介所で募集をしました。(全国のJAにあるかは不明)
募集は多くありますが、需要と供給があっていないのが現状ですね。とくに主婦の方はお子さんがいたり家の事があるので、午前中だけ働きたいとか3時間だけ働きたいという人が多いのですが、農家サイドは1日働いてほしいという方が多いです。このためパートさんも諦めてしまっていて、募集すら見なかったり。農家も「9時~14時」など微妙な時間帯で募集をかけている気がします。うちはそこに目をつけて、時間は「要相談」。午前だけの人でも午後だけの人でも、3時間だけ働きたいという人でも受け入れて、シフトを組んでやっています。農家は勤務スタイルが独特なので、パートさんも毎日定刻の出勤ではありません。夏場は一切仕事がありませんが、収穫のときは毎日忙しいです。 いま1番長いパートさんはもう17~18年働いてくれています。新しい人はまだ2週間くらいですね。みなさんお小遣い稼ぎではなく、生活費のプラスにと一生懸命に働いてくれていますよ。
最近おすすめの人材サイトはCMでも良く見る某社だと聞きます。かなり人が来るのだとか。私はまだ募集をかけていませんが、試してみたいなと思っています。

パートさんに長く働いてもらうコツなどはありますか?

私の経験上では「家庭菜園が好きです」って方はなかなか長続きしないですね。趣味が仕事になってしまうと辛いのだと思います。あとは「みんなで一緒に仕事がやりたい」って方。実は農作業って1人で作業することが多いので、黙々と仕事をするほうが好きな方の方が長く続けられる気がしますね。
人間関係も色々ありますからね、そこを上手くやってあげるのも大切だと思います。女性は器用な方が多く、男性は力仕事が得意だけど雑かなと思います。農家は力仕事のイメージがありますけど、そんな事ないです。収穫したトマトを持つとかは重いけど、作業的には葉かきや脇芽をかくなどの細かい作業がメインです。このため女性のほうが向いていると思います。
海外の方で働きたいと来られる方もいますが、まだ雇用したことはないですね。この辺ではまだ少ないですが、これから増えてくるかもしれないですよね。

休日はあるのですか?

なかなか丸1日の休みは取れませんね。収穫が始まると次は出荷があるので、フルで休むのはさらに難しいです。でも、サボるところはサボって力を入れるところは力を入れて、上手くやっています。だからなのか、子供の学校行事でも「来れるでしょ?」「役員やってよ」とか言われます。農家は仕事の調整がきくので、サラリーマンみたいに仕事を休んで来ているって感覚がないのでしょうね。私は引き受けちゃいますけど!どうしても農家は儲かっている、農家はヒマだと思われています。イメージ先行が強いので、そこも変えていきたいですね。

堀越さんは程よく力を抜きながら楽しく農業をされていますよね!

だって仕事は楽しくなくっちゃね!前の仕事で上司に言われたのが「仕事は趣味にするな、趣味は趣味で持て」と。今はゴルフをやったり、好きな車にも凝っています。

<後編>へ続く…

記事の補足知識💡

農地保有適格法人とは・・・
農業法人のなかで農地法第2条第3項の要件に適合し、”農業経営を行うために農地を所得できる”農業法人のこと。農地法では、所有権や使用貸借権など農地の権利移動をするためには、原則として知事又は農業委員会の許可を要することとされています。許可にあたっては、農地を効率的に利用するかどうか、受け手の農業経営の状態や経営面積等を審査し、許可してはならない基準に該当するときは、許可しないこととされています。農地所有適格法人以外の法人による農地の権利取得はこの基準に該当するため、法人が農地の権利取得をするためには、原則として農地法で定める一定の要件(農地所有適格法人要件)を備える必要があります。

▶法人化する場合は、どのタイプの法人を選ぶのか、それぞれの法人形態の特色や自らの経営展望に照らして選択する必要があります。

認定農業者制度とは・・・
農業経営基盤強化促進法に基づき、市町村が地域の実情に即して効率的・安定的な農業経営の目標等を内容とする基本構想を策定し、この目標を目指して農業者が作成した農業経営改善計画書を認定する制度です。認定農業者に対しては、スーパーL資金等の長期低利融資制度、農地流動化対策、担い手を支援するための基盤整備事業等の各種施策を重点的に実施されます。

▶認定を受けてから5年経過した場合、再度計画を提出して再認定を受ける必要があります。


ハウスの情報


ハウス:鉄骨ハウス7連棟
【その他2ヶ所(ガラスハウス、高軒高耐久性ハウス)】
ハウス総面積:73a
暖房機2台
ヒートポンプ4台
炭酸ガス発生器3台(灯油1台、ガス2台)
統合環境制御盤1台
かん水(自動とタイマーの使い分け)


ハウスの様子



キュレータープロフィール

栃木県/トマト生産者 
堀越さん

現場監督から農家に転身して18年。
9年も前から高軒高耐久性ハウスを購入し最先端の環境制御に取り組まれてきた。50人以上いる部会の相談員を務め、若手の育成に携わるなどリーダーシップを発揮されている。「攻めの農業」に徹し、とても勢いがある一方、「仕事は楽しく!」がモットーでとても気さくだ。インターネットを使った情報収集が得意で様々な最新情報をもっている。若い人がついていきたくなるのも納得の人柄。目標であった法人化を叶え、今後一層の活躍が期待されるベテラン農家。 取材担当者より

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