コラム
公開日:2019.05.10

現在、農業生産において世界的に注目されているバイオスティミュラント。略してBSとも呼ばれるこの技術は、市場規模が世界的に拡大を続けており、気候変動への対応や持続可能な農業の実現に向けた資材として期待が高まっています。
日本でもバイオスティミュラントの知名度が高まっています。なかでも2018年1月に設立された「バイオスティミュラント協議会」は肥料や農薬関連の国内メーカー8社が共同で立ち上げ、バイオスティミュラントの普及活動を推進して来ました。また、「みどりの食料システム戦略」の推進を背景に、環境負荷の低減や安定生産に貢献する技術として注目されています。
今回は、バイオスティミュラントの基礎知識とバイオスティミュラント資材(BS製品)の特徴についてご紹介します。

農業をするうえで、作付けから収穫までの間に植物が受け続けるさまざまなストレスをいかにコントロールするかは、収穫量に関わる大きな課題です。気象条件や病気・害虫をはじめ、農家を悩ませるストレスは多岐にわたります。
バイオスティミュラントは、気温や日照条件、栄養素のバランス、さらに環境汚染物質などから植物が受ける非生物的ストレスをコントロールし、植物がうまく育つことをサポートする新たな技術として注目されています。
バイオスティミュラントとは、直訳すると「生物刺激剤」です。農薬でも肥料でもなく「農業資材」に分類され、効果としては「非生物的ストレスの緩和」です。バイオスティミュラントを利用した農業生産を取り入れることで、植物本来の能力・活力を高め、遺伝子レベルで決まっている最大収穫量を増やすことができるのです。

植物は成長を通じて、非生物的ストレスと生物的ストレスである病気や害虫からの影響を受け続けています。バイオスティミュラント協議会では、潜在的収量を100とした場合、生物的ストレスと非生物的ストレスの影響により、収穫時の収量は20%台まで低下するという概念が紹介されています。
そこで、バイオスティミュラント資材を使用することによって植物のポテンシャルを引き出し、暑さや寒さ、乾燥などの環境ストレスに対する耐性を高めるとともに、根の生育を促進し、根がしっかり張ることで、安定した収量や品質の確保につながります。
ただし、バイオスティミュラント資材(BS製品)は、対象となる作物や生育ステージ、使用するタイミングなどによって効果が異なります。あくまで農業生産の基礎となってきた農薬や肥料、土づくりをはじめ、日照や潅水管理など基本的な栽培管理を適切に行った上でBS製品を取り入れることが肝心です。

代表的なバイオスティミュラント資材には、天然由来成分を活用した資材があります。
タンパク質や酵素、ビタミン、アミノ酸類など、植物の生育をサポートする成分を総合的に配合したものです。
その他、腐植質、海藻および海藻抽出物、微生物資材などがあり、バイオスティミュラント協議会ではバイオスティミュラント資材を6つのカテゴリーに分類しています。
中でも海藻および海藻抽出物は、海藻から抽出した成分を含む資材で、植物の生育促進や環境ストレスへの対応をサポートする目的で利用されています。アミノ酸などの成分により、高温や乾燥、日照不足などの環境ストレスによる植物への影響を軽減することが期待されています。
このように、バイオスティミュラント資材(BS製品)は、植物が本来持つ力を引き出し、環境ストレスへの対応力を高めることで、健全な生育や安定した収量・品質の確保をサポートすることができるのです。
使い方は希釈して散布するだけといった簡単なものもあり、既存の栽培管理に取り入れやすいことも大きなポイントです。
今後、一層世界的に大きな気象変動が予測される中、バイオスティミュラント資材(BS製品)が、環境変化に対応した強い農作物づくりや安定した生産を助けてくれるかもしれません。
▼参考サイト
バイオスティミュラントとは?|日本バイオスティミュラント協議会
<https://www.japanbsa.com/biostimulant/biostimulant-jbsa.html>
バイオスティミュラント資材 – 株式会社ウエサカ
<http://www.uesaka1010.jp/item/green/13/pdf/01.pdf>
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【施設園芸ドットコム 編集部】
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