コラム

注目の線虫捕食菌!環境にやさしいセンチュウ対策とは

公開日:2021.08.18

1.植物寄生性線虫は農家の敵!

体長1mm以下のミミズのような土壌生物「線虫」をご存知ですか?一部の線虫は野菜の根に寄生して養分を吸い取ってしまうので、農家にとって重大な害虫です。きゅうりやトマトなどの果菜類をはじめ、根菜類・イモ類・マメ類などを中心に、生育不良や収量低下などの被害を引き起こします。農薬による防除や、太陽熱や米ぬかを利用した土壌消毒マリーゴールドなどの緑肥を栽培する方法などが一般的な対策ですが、一度発生してしまうと線虫の被害を完全に抑え込むのは困難です。今回は、そんな線虫にお悩みの方におすすめの「線虫捕食菌」について解説します。



▲センチュウ(左)と被害を受けた作物(右)

2.線虫対策の救世主!?「線虫捕食菌」とは?

線虫捕食菌とは、その名のとおり線虫をエサにして増殖する菌のこと。菌糸で線虫を捕獲し、捕らえた線虫から養分を吸収する、いわば線虫の天敵です。線虫を食べながらどんどん菌糸を伸ばし、活動範囲を広げていく性質を利用することで、土壌中の線虫の繁殖を抑えることができます。



線虫対策に線虫捕食菌を活用するメリットは、主に次の2つです。



効率的に線虫を捕らえることができる

農薬による防除では、土壌の深い場所に生息している線虫まで薬剤が到達しないという問題があります。線虫捕食菌は、農薬とは違って線虫がどこにいても捕獲可能なだけでなく、ターゲットの線虫が多ければ多いほど活性が高まるので、効率的に防除を行うことができます。



環境にやさしい

線虫捕食菌は、もともと自然の土壌に存在している菌です。農薬とは異なり、化学的な成分は一切含まれていないので、防除による環境への負荷を軽減することができます。



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3.線虫捕食菌資材を使ってみよう

線虫対策として線虫捕食菌を利用する場合、線虫捕食菌が混ぜ込まれた土壌改良材を使うのが一般的です。使用方法は製品によって異なりますが、土壌全体に散布・混和するだけでなく、定植時に株穴に投入したり、水に溶かして潅水チューブで散水したりと、通常の肥料と同じように手軽に使うことができます。土壌改良材としての有効成分も含んでいるので、線虫の防除と同時に土づくりができるのも特徴です。



3種類の線虫捕食菌が配合された「ハーベストライズN」は、そんな土壌改良材の一例。ほかの商品にはない種類の線虫捕食菌が含まれているほか、3種の菌がそれぞれ異なった方式で線虫を捕らえるので、3大線虫(ネコブセンチュウ・ネグサレセンチュウ・シストセンチュウ)すべてに効果を発揮します。主成分である高純度のケイ酸が植物の根や茎葉を丈夫にする役割を果たし、収量アップや線虫以外の病害虫対策にも効果的。化学薬品でも農薬でもないので、無農薬栽培や有機栽培を行っている方も取り入れやすい資材です。



画像提供:(株)エヌバイオ



線虫の被害を効率的に抑えることができる線虫捕食菌は、線虫対策の新たなアプローチとして注目を集めています。すでに行っている対策と組み合わせることでさらなる効果も期待できるので、一度試してみてはいかがでしょうか?



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▼参考文献
○線虫捕食菌と線虫,農林省農業技術研究所 三井康
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/13/9/13_9_571/_pdf
○有害線虫総合防除技術マニュアル,農研機構 九州沖縄農業研究センター
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/archive/files/nematode.pdf

▼参考サイト
○株式会社エヌバイオ
https://nbio-web.com/



ライタープロフィール

【にっく】
農業研究所の研究員として日本全国を飛び回ったり、アフリカ・東南アジアで農業技術普及プロジェクトに携わったり…国内外の農業に関わってきた経験を持つ農学博士です。圃場作業で汗を流すのが大好き。これまでの経験と知識を生かして、わかりやすい記事をお届けします!


    
    


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